君を想って海をゆく「WELCOME」:映画紹介

フランス映画紹介

 

君を想って海をゆく

 

映画「君を想って海をゆく」
 
製作年:2009年
製作国:フランス
原題:WELCOME
 

あらすじ

『灯台守の恋』のフィリップ・リオレ監督によるヒューマンドラマ。
恋人に会うため、ドーバー海峡を泳いで渡る決意をしたクルド難民の少年と、彼に泳ぎの指導をすることになったフランス人中年男性が次第に心を通わせていく。ヴァンサン・ランドン主演。
 
監督 フィリップ・リオレ
出演 ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴィルディ、オドレイ・ダナ
 
youtubeの予告編へのリンク↓
 
 

感想

印象的なシーンがいくつかあります。そのどれもが、胸がぎゅっとなるような、苦しいシーンです。

昨今特にヨーロッパでは移民が問題になっておりますが、まさに移民問題にスポットを当てた映画とも言えるでしょう。

いえ、もしかしたら、監督の意図としているのは、主人公の少年と、水泳講師の心の触れ合いかもしれません。

でも、水泳講師が、不法入国者である少年を助けたいという気持ちがありながらも、それを排除しようとする法との間で頭を悩ます姿は、ニュースで聞く「不法入国者」という言葉を超えて、考えさせられるものがあります。

 

不法入国者である少年をかくまうのは、犯罪だそうです。そういった「保護」をすることで、ますます不法入国者が増えるらしいのです。

しかし、もしあなたの前に、身寄りのない、寒空の下で泊まる所もない、食べるものもロクにない、貧しい少年達がいたら、どうしますか?

「不法入国者への奉仕活動は一掃する。」

家に少年をかくまったことを責める警官はこう言う。

しかし、これが善なのか悪なのか。まさに答えの見えない移民問題であると思います。

冒頭に出てくるトラックに乗ってイギリスに渡ろうとするシーン。

どうやら、トラックの荷台の二酸化炭素の検査を逃れるために、ビニール袋を被って数分間、耐えなければならない。時には、これで死んでしまう者もいるようなのです。

明るい気分にはなれない映画ですが、移民問題を一人の人間と人間の単位で描かれているので、漠然とした「移民問題」というのではなく、身近なものとして考えるきっかけになる映画だと思います。

 

※こちらの映画は、冒頭の20分間のフランス語フレーズが少ないため、映画クラスでは取り扱っておりません。