フランス人の時間の過ごし方・労働時間への考え方:フランス文化を探求しながらフレーズを覚えよう

フランス人の時間の過ごし方

フランス人は怠け者だ、またフランス人のようにゆったりと人生を過ごしたい、そういった考えを耳にしたことがありませんか?

  • フランス人は残業をしない。
  • フランス人は日曜日に働かない
  • フランス人はゆっくり食事をとる。
  • フランス人は労働時間が少ない。

上記は日本人とフランス人の違いとして、よく言われることです。本当なのでしょうか?一つ一つ、考えてゆきたいと思います。


フランス人は残業をしない

日本で働くフランス人が、疑問に思うことの一つ、「残業」

あるフランス人に意見を聞いたところ、「自分の決められた時間内に決められた仕事を終えているのだから、時間になったら帰るのは当たり前」との事です。

むしろ、「残業までしないとならない日本人は、仕事ができない奴ら」と思うフランス人もいるようです。

日本人は、他の同僚が終わるのを待ったり、あるいは手伝ったり、上司がまだ仕事をしていると帰りづらい、などの心理的な部分から、残業をしてしまうことも多々あるのではないでしょうか。

日本では、「仕事を最優先にするのが美学」という考えが、昔ほどではありませんが、まだうっすらとあるように思います。心の中では家族が一番大事だと思っていても、会社ではそれを見せないようにして、仕事に一生懸命な姿を見せる、という美学です。

フランス人には、国民皆が、「家族が一番大事」だし、それを社会的な権利として保持していて、行動しているかのように感じます。


フランス人の仕事に対する考え方

多くのフランス人は、仕事を生きるために仕方がないからするもの、つまり強制や束縛の一つだと考えます。しかし、その考え方も年代によって違います。

例えば、25歳から64歳までのフランス人は、仕事は嫌な事であり、バカンスや趣味の時間のために早く終わらせたいと考えますが、

64歳以上の年齢の方は、人生を充実させるものだと考え、ボランティアで社会のために働く人もいます。

また、職種によっても、考え方は変わります。これは日本でも同じ傾向にあるのかもしれませんが、企業のサラリーマンや工場労働者よりも、専門職の方のほうが、仕事=人生を充実させるものだと考える傾向にあります。

労働時間は、日本人よりも少ないです。


フランス語で言ってみよう

強制、束縛

une contrainte.

(束縛は)しかしながら生きるためや家族のために必要なことだ。

Une contrainte, 

cependant nécessaire car il faut travailler pour vivre 

et faire vivre sa famille.

年代によっても、職種によっても、感じ方は違う。

Selon les âges et selon les professions, ce sentiment diffère.

人生を充実させる方法の一つ

une façon de s’épanouir.

ウヌ・ファソン・デ・セパンヌイ


フランス人は日曜に働かない

フルーツタルトの写真、休憩のイメージ

フランスに旅行に行った時に、「日曜にショッピングに行こう」と言いましたら、笑われました。日曜日は、街の全てのお店が閉まっているよ、と。

観光客の多いパリなど大きな街では、日曜日も営業しているデパートが多くあります。日曜日に営業するかどうかについても、ものすごい議論があったようですが、日曜日に仕事をしても賃金が高い方が良い、と考えるフランス人も出てきたということでしょうか。

そもそも、日曜日はフランス人にとっては家族の日。教会に行く習慣からそうなっているのかもしれません。毎週日曜日には、おばあちゃんの家に集まって家族皆で食事、という習慣を持つ家庭も少なくありません。

フランスは「完璧」でなくてもいい

日本に住んでいるフランス人が驚いたことは、日本人のサービス精神です。

日本のユニクロで、閉店間際に店に入ってゆっくり品物を見ていても、嫌な顔一つしないことにびっくりしたそうです。(後から閉店間際だったことを知り、申し訳なく思ったとのこと。)

フランスでは、例えば郵便窓口では、列をつくって待っている客がいる場合でも、閉店の時間になったらピシャリとシャッターを閉められてしまうそうです。

フランス人の労働時間が日本人のそれよりも少なくても「なんとかなっている」理由の一つとしては、フランス人は「人を待たせることに抵抗がない」から、という面もあります。

残業をしない、というのも、「次の日にしっかりとサービスをするために、今日のうちに片付けなくてはならないことがある」と考える日本人に対し、フランス人は、「店が煩雑な状態でも家に今日は帰る。明日やればいい」という考え方なのかもしれません。

「完璧にやらなくても、いい」という考え方。フランス人の客も、完璧なサービスを求めておらず、そういうものだと思っているので、店員側としても気が楽かもしれません。過労で精神を病んでしまったり、家族の時間が確保できないよりは、多少仕事を残したままでも帰宅し、きっちり仕事を休むことも大切です。

しかしながら、客にとっては、日本人の、店員やウェイターのサービス精神や、公共サービスのクオリティが高いことは大変ありがたいことです。


フランス人の睡眠時間

ここ数年は、フランス人の睡眠時間は減少している傾向にあります。

フランス人だけでなく、世界中の人々がそうかもしれませんが、それはスマートフォンも原因の一つです。

そして、日本人の睡眠時間は平均6時間。

特にサラリーマンの一日の睡眠時間は、とても短いです。

東京など都会で働くサラリーマンは、通勤にも時間がかかりますから、なかなか平日はたっぷり、まとめて睡眠時間を確保することができませんよね。

フランス人は、東京の電車の中で、日本人が皆眠っているのを見て、驚くそうです。働きすぎで夜の睡眠時間が足りない日本人の「居眠り」を、日本の独特の文化として皮肉交じりにこんな風に表現するフレーズがあります。↓


フランス語で言ってみよう

日本人の眠り方は他とは違う。

La façon de dormir des Japonais est différente.

日本人は、1日の中で何回かに分けて睡眠を取っている。そう、”居眠り”である。

Elle est plus fragmentée tout au long de la journée notamment avec le « Inémuri ».


フランス人の食事の時間

ゆったりした食事の時間は、フランス人にとってとても重要です。

朝の朝食の時間・・・コーヒーをゆっくり飲みながら、焼きたての甘いクロワッサン・オ・ショコラを味わう。

昼はたっぷりのランチ。

夜はアペリティフから始まり、おしゃべりを楽しみながら、食事を一緒にワイン、そして最後はチーズとデザートまで味わう。フランス人の食事はそんなイメージです。

全てのフランス人が毎日このような食生活ではないですが、確かにフランスでの食卓は、割と長いことテーブルに座っている感覚はあります。

食事のスピード、というよりも、食事の時のおしゃべりが止まらないから必然的に長くなってしまうのでは、と個人的には感じます。

フランスと日本の食文化の違いについては、こちらに特集しています。

https://dfr.tokyo/フランスの習慣【食文化】フランス人の面白い習/


フランス語で言ってみよう!

食べること。それは、フランス人にとって、とても価値のある話題です。

Manger. Voilà un sujet très cher à nos amis Français.

食事の時間の長さでも、フランス人は世界一です。

Ils sont encore une fois, champion du monde,

1日の中で食事に充てられる時間は、平均2時間13分です。

2 heures 13 minutes par jour en moyenne.

ちなみに日本人の1日の食事の時間の平均は、1時間35分だそうです。


フランス人の趣味・娯楽

ラジオを聴く、ネットサーフィン、youtube動画を視聴するなど、趣味のバリエーションは昔と比べてかなり広がりました。

新聞を読む時間も、スマートフォンの普及によって減っています。

フランスでは、自分の家のあちこちをデコレーションしたり、修理したり、いわゆる「DIY」が日本よりも盛んです。日本よりも、土地が広いため、家自体が大きく手の入れ甲斐があるということも理由の一つかもしれません。


フランス語で言ってみよう

時代とともに、娯楽や趣味に割かれる時間はだいぶ増えました。

Avec le temps, le temps consacré aux loisirs a considérablement augmenté. 

趣味(娯楽)の種類も時代とともに変わり、また年代によって様々です。

Le type de loisirs aussi a beaucoup changé et selon l’âge, les loisirs sont très différents.

60年代のフランスでは、ガーデニングはフランス人にとって一番の趣味でした。

Dans les années 60 le jardinage était le loisir le plus populaire en France.

フランス人は多くの時間と多くのお金を、自分たちの庭や花々を育てるために費やしました。

Les Français consacraient beaucoup de temps et d’argent à cultiver leur jardin et leurs fleurs.

色々な ”趣味” のバリエーションを表にまとめました。

(※下の表の主語は、 les français 三人称複数形です。↓)

écoutent la radioラジオを聴く
regardent des vidéos ビデオ視聴
vont sur internetインターネットをする
vont au cinéma映画に行く
vont au musée美術館に行く
vont au théâtre劇場に行く
font du shoppingショッピングする
vont sur les réseaux sociauxSNSをやる
jouent aux jeux-vidéosビデオゲームをする
sortent avec leurs amis友達と出かける
font des sorties culturelles文化的な事を楽しむ

フランス人の「仕事以外の時間」の過ごし方や「仕事の時間」に対する考え方。

Les Français et le temps disponible

レ・フランセ・エ・ル・トン・ディスポニブル

ル・トン・ディスポニブルとは、何でしょうか?

それは、つまり

Temps disponible = Quand on ne travaille pas. 

働いていない時間のことです。

le temp livre

ル・トン・リブレ

は主に、暇な時間、趣味など好きなことができる時間のことですが、

le temps disponible

は、それも含めた、働いていない時間全てのことです。

つまり、食事の時間、睡眠時間なども含まれます。

「フランス人は怠け者だ」とも「フランス人の生き方は最高だ」とも言われる。

« les Français sont fainéants»

d’autres personnes disent

« le mode de vie des Français est mieux ». 

ここに載せているフレーズはほんの一部です。実際のお教室でのレッスンでは、フランスの文化や習慣、歴史についてのテキスト文を読みながら、理解を深めます。

さらに、参加者同士やフランス人講師とのディスカッションの時間もあります。

先生から生徒への一方的な講義で終わるのではなく、その日に発見したことや感じたことを、その場で周りの人に発信することで、実践的な語学力につながります。

「自分の意見をフランス語で述べる」

中級の参加者の皆さんは、もうご自分の意見をフランス語だけで言える方がほとんどですが、

初級の参加者の方で、フランス語の会話力に少し自信がない方も、講師がサポート致しますよ!

少人数の教室だからこそできる、アットホームな雰囲気で話しやすい雰囲気づくりを心がけております!