カトリーヌ・ドヌーヴ「真実」観ましたか?カトリーヌ・ドヌーヴの人生と出演映画を振り返る

フランス映画女優といえば、カトリーヌ・ドヌーヴ、その実力と美貌で、日本でも世代を超えて人気の大女優です。そんなカトリーヌドヌーヴ がジュリエット・ビノシュと共演、さらに日本人の是枝裕和監督が初めて国際共同製作で手がけた映画「真実」を紹介します。

カトリーヌドヌーヴ の過去の出演作品を振り返りながら、映画と共に歩んだ、カトリーヌドヌーヴ の人生について、思いを馳せてみたいと思います。

引用:https://eiga.com/news/20191013/4/映画ドットコム

カトリーヌドヌーヴ ×ジュリエット・ビノシュ共演「真実」

まずは、2019年に公開されて話題となった「真実」の紹介です。

引用:公式HPhttps://gaga.ne.jp/shinjitsu/

ストーリー

大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ )が、自伝本「真実」を出版した。娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)が、そのパートナーと娘を連れ“出版祝い”を口実に、訪れる。自伝本を読んだリュミエールは書いてある内容は「嘘ばかり!」と憤慨。大女優の隠された本当の過去、隠し続けてきたその真実とは?

注目すべきはココ!「真実」のおすすめポイント

カトリーヌドヌーヴ のような大女優が、ファビエンヌという大女優の役を演じるということにまず注目です。お城のような豪邸に、現在のパートナーと彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書と共に暮らし、そして物語中盤では元夫も訪れる。
ファビエンヌというキャラクターの、ゆったりとした女優感に魅了されます。物語が進むに連れて、彼女の強さと弱さが浮き彫りになってゆきます。大女優の弱さや孤独を、ファビエンヌが演じる役柄と脚本によって、いわば劇中劇のような形で間接的に表現している点が絶妙な演出だと感じました。

映画の終わり方が、何とも日本的です。フランス映画は、モヤモヤっとした結末やシュールな終わり方が多いように思いますが、是枝監督は、ふわっとした希望を感じさせる温かなラストに仕上げており、見て良かったと思える映画です。

製作2019年
製作国日本/フランス
原題La vérité

出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエ

共演者情報

ジュリエット・ビノシュ

Attribution:Siebbi, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons/wikipediaはこちらにリンク

1964年3月9日、フランス、パリ生まれ。巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(84)で注目される。

出演作品

『トリコロール/青の愛』(93)
『イングリッシュ・ペイシェント』(96)
『ショコラ』(00)
『トスカーナの贋作』(10)
『パリ・ジュテーム』(06)
『GODZILLA ゴジラ』(14)

リュディヴィーヌ・サニエ

Attribution:Georges Biard, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons/wikipediaはこちらにリンク

1979年7月3日、フランス生まれ。フランスが誇る異才フランソワ・オゾン監督の作品で高く評価される。

出演作品

『8人の女たち』(02)
『スイミング・プール』(03)

カトリーヌ・ドヌーヴの人生。女優としてのキャリアとプライベート

生い立ちからスターになるまで

カトリーヌ・ドヌーヴCatherine Deneuve

1943年10月22日生まれ。フランス・パリ17区出身。

本名はカトリーヌ・ファビエンヌ・ドルレアック (Catherine Fabienne Dorleac)。「ドヌーヴ」は母の旧姓。

10代のころから映画に出始める。ミュージカル映画『シェルブールの雨傘』のヒットで世界的スターの座をつかむ。

4人姉妹であり、姉のフランソワーズとは「ロシュフォールの恋人」にて共演。(1967年に夭折)

奇抜な役も好んで引き受けるチャレンジ精神

その美貌で注目された事はもちろんだが、美しいだけでなく、エキセントリックな役も引き受けて演じきっているドヌーヴ。腹黒いものを秘めたような悪徳のヒロインも、ごく自然に演じているよう。

黄金時代

1980年に公開されたフランソワ・トリュフォー監督の映画『終電車』(80)は、トリュフォー監督最大のヒット作であり、カトリーヌの「キャリアのターニング・ポイント」と言われている。かつてカトリーヌと恋愛関係にあったトリュフォーは、この作品の成功の4年後にこの世を去る。

1992年の『インドシナ』で米国アカデミー賞主演女優賞にノミネート。1998年の『ヴァンドーム広場』でヴェネツィア国際映画祭 女優賞を受賞。

プライベート・交際遍歴

1963年(カトリーヌ20歳)映画監督でブリジットバルドーの元夫であるロジェ・ヴァディムとの間に息子クリスチャンが誕生。(1961年から交際)

その後、ヴァディムはジェーン・フォンダの元へ去ってしまい、失意から自暴自棄に。

1965年にイギリス写真家デビッド・ベイリーと結婚。

1972年に離婚。

ドヌーブが27歳の時に、ロマン・ポランスキー監督がロンドンの自宅でイタリアの俳優マルチェロ・マストロヤンニを紹介した。マストロヤンニは当時46歳。
マエストロヤンニとの間に娘のキアラを出産するが正式な婚姻関係になることは諸事情のためかなわなかった。ドヌーブとマストロヤンニは「哀しみの終わるとき」「ひきしお」「モン・パリ 」など映画でも共演。

マストロヤンニは後に「本当に自分が心底愛した女はエクバーグとドヌーブの2人だけだった」と語ったそう。1996年のマストロヤンニの臨終の時にも彼との娘キアラと共に立会った。

カトリーヌの二人の子どもクリスチャン・ヴァディムキアラ・マストロヤンニも俳優の道に進んでいる。

ファッションアイコンとしてのカトリーヌ。イヴ・サンローランとの友情

カトリーヌ・ドヌーヴは、フランスの世界的ブランドであるイヴ・サン=ローランの顧客としても有名である。きっかけは、映画『シェルブールの雨傘』(64)のヒットで、イギリスの女王陛下に謁見する際のドレスをサンローランにオーダーした事。
映画『昼顔』(67)ではすべての衣装をサンローランが手がける。

そんなファッションアイコンであるカトリーヌの、美に関しての名言がこちら。

主な出演作品タイトル一覧

他にもたくさんの出演作品がありますが、一部を紹介します。

1963 悪徳の栄え(Vice and Virtue

1964 シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg

1967 ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort

1967 昼顔(Belle de jour

1968 めざめ(Benjamin ou Les mémoires d’un puceau

1969 暗くなるまでこの恋を(Le Sirene du Mississippi)

1973 モン・パリ( L’événement le plus important depuis que l’homme a marché sur la Lune)

1980 終電車(Le dernier métro

1985 恋のモンマルトル(Zig Zig)

1992 インドシナ(Indochine)

1998 ヴァンドーム広場(Place Vendôme

2000 ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer In The Dark)

2002 8人の女たち(8 femmes

2008 クリスマス・ストーリー(Un conte de Noël)

2009 隠された日記(Mères et filles

2010 しあわせの雨傘(Potiche)

2017 ルージュの手紙(sage femme)


カトリーヌ・ドヌーヴのおすすめ映画

イメージを固定させず自らの好むところのみに従い演じたい役を演じ続ける、カトリーヌドヌーブ。まずは、まだカトリーヌドヌーヴ ファンでない方にも見やすい新しめの作品を紹介します。

8人の女たち

原題:huit femmes

1950年代のフランス。

クリスマスを祝うため、雪に閉ざされた大邸宅に家族が集うこととなった。

ちょうどその日の朝、メイドのルイーズが、一家の主マルセルの部屋へ朝食を持っていくと、彼はナイフで背中を刺され死んでいた。外から何者かが侵入した形跡はない。電話線は切られ、雪で外部との連絡を完全に絶たれた8人の女たち。

この中の誰が彼を殺したの・・・?

彼女たちは疑心暗鬼を募らせていく。そして、次々と彼女たち一人ひとりの思惑や秘密が暴露されていく…。

この映画は、好き嫌いがあるかもしれません。個人的にはとても好きな映画です。

現実的ではない展開やミュージカル調のシーンもあるので、嘘くさい、と思われる方もいるかもしれません。

でも、何と言っても、フランスの有名な女優さんが共演していて、華やか!
この映画を見て、気になる女優さんを見つけ、そのあと数珠つなぎ的にその方の出ている作品を鑑賞してゆく、ということをやりたくなります。

フランスの素敵な女優さんを眺めてうっとりしたい時にオススメ、です。

映画の詳細やセリフ、を見てみたい方はこちらへ!予告編も。

隠された日記 〜母たち、娘たち〜

原題:MERES ET FILLES / HIDDEN DIARY

カナダで働くオドレイは、久々に両親の住むフランスの海辺の街に帰って来る。

医師の母(カトリーヌ・ドヌーヴ)とは昔からそりが合わず、再会しても二人の間にはどこかぎすぎすした空気が漂っていた。

結局オドレイは仕事を理由に実家ではなく、亡くなった祖父が生前住んでいた海辺にただずむ家で休暇を過ごすことにする。

偶然みつけた祖母の日記。そこに隠された、家族の秘密とは・・・?

祖母が母を残して消えた、本当の理由とは・・・?

フランソワ・オゾン監督の映画は、先が気になって気になって、最後まで見ちゃう、そして後味が悪い、という私の中でのイメージがあります。

そして最後に ”真実” がわかった時、ゾッとしました。

映画の世界にどっぷり浸り、現実を忘れたい時 にオススメです。

映画の詳細、予告編はこちら。フランス語のセリフも紹介。

しあわせの雨傘

原題:potiche

カトリーヌ・ドヌーヴが衝撃的なジャージ姿を披露したハートフルコメディ。

ブルジョア主婦・スザンヌは、朝のジョギングを日課とする優雅な生活を送っていた。そんな折、雨傘工場を経営する夫・ロベールが病に倒れ、スザンヌが工場の運営を任される。

70年代フランスの、まだ女性が働く事が今よりも普通でなかった時代の話です。

カトリーヌ・ドヌーヴが、夫に代わりバリバリと工場長代理として働く女性を演じます。この映画、何が面白いかって、最初は何にも知らない主婦だった主人公が働くことに目覚めて変わってゆく姿。

元気になりたい時にオススメの映画 です。

映画の詳細、予告編、登場したフランス語のセリフはこちらのページ

カトリーヌ・ドヌーヴおすすめ映画【昔の映画】

ここまでは新しめの映画をご紹介しましたが、今度は昔の作品で有名なものを紹介します!

シェルブールの雨傘

Les Parapluies de Cherbourg

全編音楽のみで地の台詞が一切ない完全なミュージカルであり、映画としては画期的な形式。特に主題曲は世界中で大ヒットした。

ドヌーヴの出世作となった作品だが、出演者の歌は素人のため、すべて歌手による吹き替えである。

この映画に出てくるドヌーヴの美しいこと・・・

ストーリーが1957年〜1963年と、恋をしたカップルが幼い子どもを持つくらいの年数が描かれています。90分の中に恋愛から結婚への切ない部分が詰まっています。

言葉はすべて歌なので、苦手な人は少し退屈するかもしれませんが、この映画を生涯で一番の映画とするファンもいるくらいの名作です。

雨の日に、しっとりと一人で鑑賞したい 映画です。

名シーンをまとめた動画をyoutubeで拝見したので、リンクを貼ります。

ロシュフォールの恋人たち

Les Demoiselles de Rochefort

フランス西南部の海辺の街ロシュフォールにはソランジュとデルフィーヌという美しい双子姉妹が住んでいた。

ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志し、いつの日かこのロシュフォールから飛び出し、花の都パリで自分達の力を試してみたいと思っていた。また彼女たちには、いつの日か素晴らしい恋人にめぐり逢いたいという夢もあった。

街のお祭りでショーで、歌と踊りを披露した姉妹。

パリで一緒に仕事をしないかと誘われた姉妹だったが・・

カトリーヌ・ドヌーヴとドヌーヴの実の姉であるフランソワーズ・ドルレアックを始め、ジーン・ケリージョージ・チャキリスジャック・ペランダニエル・ダリューミシェル・ピコリといった仏米の豪華な出演者が登場している。

昔の映画の色合いや、来ている服など、その時代ならではの感じがあって、美しいですよね。カトリーヌドヌーヴの実のお姉さんとの共演も、ファンには見逃せないポイントです。

恋や愛について考えたい時にオススメの映画 です。

モン・パリ

Mon Paris

自動車教習所を経営する中年男性マルコの腹が、ある日突然ふくらみ始めた。

恋人のイレーヌと共に病院で診察を受けると、なんと妊娠していることが判明する。そのニュースに、世界中の人々は沸き立つが……。

男性の妊娠という題材を扱ったラブ・コメディ。

この映画は、好きな人とそうでもない人がいるみたいですが、とにもかくにも鮮やかでカラフルなファッションも楽しい、ドヌーヴが自然体で美しい、という意見も多くあります。

非現実的で楽しい気分の時にオススメです。カトリーヌドヌーヴ の当時のパートナー、マエストロヤンニとの共演も見どころです。


いかがでしたか?昔の映画でも、DVDで自宅で鑑賞できるというのは、大変嬉しい事ですね。

大変有名な女優さんですが、まだまだ見たことがない映画もたくさんあります。カトリーヌドヌーヴの、新たな魅力が発見できるかもしれませんね。

フランス映画で学ぶフランス語

フランス映画好きの方にオススメの、フランス映画クラスでは、フランス映画を教材に、台詞からフランス語を学びます。フランス人講師自らが、毎月、オススメ映画を選んでいます。

聞き取れそうで聞き取れない?! 映画の中のシーンで、ナチュラルな会話を聞いてみましょう。フランス人同士の会話では、テキストなどで習ったフレーズがそのまま出てくるのではありませんよね。フランス人ならではの省略された言い方も、どんどん身につけましょう。

フレーズから、よりリアルな使い方を、説明したり、実際にその場で練習したりします。ピックアップしたセリフを自分の身の回りの事に言い換えてみると、すぐに使える実践的な言葉として、身につきやすいものです。


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映画紹介にも力を入れています♬