Avis de mistral
もくじ
あらすじ・ストーリー
ローズ・ボッシュ監督、ジャン・レノ主演による感動ドラマ。
会ったことのない祖父に会うため、プロヴァンスを訪れた3兄弟。
祖父は頑固で気難しい人だったが、孫たちと夏を過ごすうちに笑顔と優しさを取り戻していく。
「プロヴァンスの休日」 の作品情報
製作年: | 2014年 |
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製作国: | フランス |
原題: | AVIS DE MISTRAL/MY SUMMER IN PROVENCE |
「プロヴァンスの休日」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
監督:ローズ・ボッシュ
製作:アラン・ゴールドマン
出演:ジャン・レノ、アンナ・ガリエナ、クロエ・ジュアネ
セリフからフランス語を学ぼう
日本でも有名なジャン・レノ主演です。
フランス語のタイトルは
Avis de mistral
フランス南部プロヴァンス地方の方言と、パリの人のしゃべり方の違いを比べてみるのにもよい映画です。
さっそく、フレーズを見てみましょう。
TGVの中のシーンです。
兄弟たちが、田舎のおじいさんの家に向かっています。
車内アナウンスです。
Mesdames et messieurs
dans quelques minutes nous arriverons à Avignon.
(マダム、ムシュー、あと数分でアヴィニヨンに到着します)
実際に旅行した時、こんなアナウンス聞き取れたら、降りる駅を間違えることはありませんね。
日本では、電車の時刻はとても正確です。フランスでは、少し電車が遅れても、アナウンスで謝ったりしません。
Au Japon les horaires sont très précis.
(日本では、時間はとても正確です。)
この3人の孫、おじいさんに会うのは初めてです。
なぜなら、母親は17年前にケンカして家出したきり、実家に戻っていないからです。
おじいさんはもちろん、家出した娘のことを許していません。
駅での出迎えも、ぶっきらぼうでBonjour も、よく来たね、も無し。そんな出迎えに対し、
Sympa l’accueil.
大歓迎だな。
と、皮肉を言う孫。
Sympaは、感じのよい、
L’accueil は、お迎え、歓迎。
フランス人は、皮肉をよく言うそう。日本人はなかなか、フランス人の皮肉やユーモアをすぐに理解できず、?となってしまうこともあります。
さて、孫たちはパリから来ました。
ここで生徒さんから、質問が。
「パリに行った時、よくouiの代わりに、”ウェ”というのを聞いたのですが、これはパリ特有の言い方ですか?」
フランス人はパリの人でなくても、
Ouais
ウェ
と、こう返事をするそうです。
ところで、このお話に出てくる孫たちの、1番末っ子の男の子は、耳が聞こえません。
耳が聞こえない人のことを、フランス語で何と言いますか?
Sourd
スーォ
しゃべれない人のことを、
Muet
ミュエ
と言います。
この男の子、テオが、とっても可愛くて、ギクシャクした孫達とおじいさんの関係を和ませてくれます。
犬を見たテオに、おばあちゃんが言います。
Tu l’as déjà vu en photo.
写真で見たワンちゃんよ
君はその犬を写真で既に見た
が直訳です。
さて、プロヴァンスの田舎に到着。でもパリで暮らしていた孫たちは、インターネットの電波もよくない、虫がいる、そんな田舎に拒否反応です。
C’est quoi, cet avion!
何よ、この飛行機!
このシーンは、この女の子の周りを1匹の蜂がブンブン飛んでいる状況なのですが、
長めの羽の虫がブーンと飛んでいる時、フランス人はこんなふうに、飛行機、と表現することもあるんだそうですよ。
それを聞いた頑固者のおじいさんが、
「なんだ、パリには蜂もいないのかい」
と少しバカにした口調で、言います。
Une abeille
ミツバチ
Une guêpe
スズメバチ
です。日本では蜂は全部ハチですが、こんな違いも、覚えておくと面白いですね。
さて、おじいちゃん家の中。旧型テレビを見た孫がバカにして、言います。
Oh!
L’antiquité quoi!
なんだこれ、アンティークじゃん。
ブラウン管のテレビがあったら、若い世代の方は、もしかしたらこう言うかもしれませんね。
アンティーク、は決してネガティヴな言葉ではありませんので、
例えば
蚤の市などで素敵な古い家具を見つけた時にも、
C est une belle antiquité
などのように、使えますよ。
さらに孫が聞きます。
Elle marche encore?
これまだ動くの?
機械がうまく働くか、を言う時
fonctionner
が動詞ですが、
口語では
marcher
歩く
を日常的に使います。
この映画、最初は、このおじいちゃん、頑固者でいやだな〜なんて少し思うかもしれませんが、後のシーンで、おじいちゃんの若い頃の話や、昔の友人たちが出てきたりして、物語がふくらんでゆきます。
ただ単に、プロヴァンスの田舎はいいなあ、というお話ではなくて、人間同士の心のふれあいもたくさん描かれていて、若い人たちが観ても、楽しめる映画だと思います。