「ボヴァリー夫人とパン屋」おすすめフランス映画

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あらすじ・ストーリー

小説と現実を混同する男が巻き起こす、ユーモア溢れる官能ファンタジー。

マルタンはここノルマンディーの緑豊かな村で、7年前パリから戻りパン屋を継いだ。
彼の趣味は文学作品を読むことで、とりわけ「ボヴァリー夫人」という、この辺りを舞台に描いた物語が好きだった。

ある日、マルタンの隣に英国人夫婦が越してきた。
夫はアンティークなどの修理をし、妻はインテリア関係の仕事を担当している。
つたない英語で一生懸命「何かあればお手伝いしますよ」と親切に話しかけるマルタンは、彼らの名前を聞いて驚く。
ボヴァリーと言うのである。

マルタンの愛読書「ボヴァリー夫人」と同じ、この日からマルタンの中でジェマと小説のボヴァリーを重ね合わせていくようになる。

やがて、田舎暮らしへの不満などから若い学生と不倫仲になるジェマ、それを目にしたマルタンは・・・。

イギリスの絵本作家ポージー・シモンズが、フランスの文豪ギュスターヴ・フローベールの代表作「ボヴァリー夫人」を題材にした著書を実写化。

ボヴァリー夫人とパン屋」 の作品情報

製作年:2014年
製作国:フランス
原題:Gemma Bovery

ボヴァリー夫人とパン屋」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

監督:アンヌ・フォンテーヌ

出演:ファブリス・ルキニー、ジェマ・アータートン、ニールス・シュナイダー、ジェイソン・フレミング

この映画のお薦めポイント!スタッフの感想

不倫、妄想、覗き見・・・というのがこの映画のキーワードです。でもなぜだかドロドロしておらず、コメディ映画と言っても良いほど軽快な映画なのです。

しかし家族で見ることはおすすめしません。一人でひっそり、鑑賞して下さい。

周りからは幸せそうに見えるけれど、実は人生に退屈している・・・退屈さやぼんやりとした不満から連れ出してくれるものや人を、常に探している。

あなたの周りにも、そういう女性がいませんか?または、あなた自身、私自身がそうであるかもしれない。

フローベールの小説「ボヴァリー夫人」を題材にした映画です。

「ボヴァリー夫人」は有名な文学作品。フランス文学に詳しくなくても、名前だけは聞いたことがある、という方もいらっしゃるのでは?

フローベールの小説「ボヴァリー夫人」は、修道女から医者の妻になり、不倫、借金、自殺と、波瀾万丈な女性の人生を描いた作品。

こちらの映画「ボヴァリー夫人とパン屋」は、小説に出てくるボヴァリー夫人にそっくりな「ジェマ・ボヴァリー」に密かに思いを寄せる、パン屋のおじさんの目線で描かれます。

夫婦愛、不倫、などが恋愛映画としてのジャンルでしょう。

昼ドラを見ているような気持ちで、ドキドキしながら鑑賞できる、大人向けの映画ですが、決して後味の悪いストーリーではありません。

元々の小説、「ボヴァリー夫人」と、ストーリー展開や登場人物が多少似ている、という所がこの映画の一つの重大な要素です。

小説を知っている方は、より楽しめるのかもしれませんが、小説を知らなくても充分、楽しめました。

こういった映画をきっかけに、フランスの文化や歴史を知るきっかけになる所がとても楽しいですね。

ちなみに、これを書いた当時の1856年、作家のフローベールは、風紀紊乱の罪で起訴されたとのことです。

さらにその後、無罪判決を勝ち取り、同年4月に出版されるや裁判沙汰の効果もあって飛ぶように売れ、たちまちベストセラーとなったそうですよ。

フローベールの小説「ボヴァリー夫人」は、修道女から医者の妻になり、不倫、借金、自殺と、かなりドロドロしております。

小説だけでなく、映画もありますので、小説を読むのが億劫だという方は、全体像を把握するために映画を見るのも良いかと思います。

「ボヴァリー夫人とパン屋」は、フローベールの小説「ボヴァリー夫人」が大好きなパン屋おじさんの目線で描かれます。


セリフからフランス語を学ぼう

主人公のマルタンは、田舎で暮らすパン屋です。父親の後を継いで平凡な日々を過ごしています。

J’ ai repris la boulangerie paternelle.

父のパン屋を継ぐためだ。

さて、そんなノルマンディーの田舎に、ボヴァリー夫人とその夫が引越しをして来た事が、物語の始まりです。

 Tu bois un coup?

トゥ ボア アン クウ

一杯飲む?

ボヴァリー夫婦はイギリス人なので、冒頭の20分間では英語も出てきます。

なので、英語のネイティブスピーカーが、フランス語を話す時のアクセントの違いも聞く事ができます。

そして、物語とは直接関係ありませんが、フランス語を覚えたてのボヴァリー夫人の話し方や、彼女がフレーズを繰り返すシーンも、フランス語学習者にとっては共感を覚えながらついつい注目してしまうポイントかもしれません。

主人公のマルタンはパン屋なので、フランス旅行などでブーランジェリーに行くときに参考になりそうな、以下のようなフレーズがいくつか出てきます。

Celui ci c’est quoi?

セルイ シ セ クア?

 これは何?

C’est graines de tournesol.

セ グれン ド トゥーるヌソル

ひまわりの種だ。

フランスのパン屋さんに行ったら、これは何ていうパン?何が入ってるの?なんていい香りなの!など、たくさん聞きたいことや言いたい事がありますよね!

C’est une de mes spécialité.

セ ウヌ デメスペシャリテ

自慢のパンだ

さて、本当の「ボヴァリー夫人」は、小説の最後には自殺をしてしまいます。

それが服毒自殺なので、この小説の愛読者のマルタンは、目の前のジェマが同じように自殺してしまうのではないか、という恐れを密かに抱いています。

Surtout pas de poison!
Y a toujours des accidents toujours !

殺鼠剤だけはいかん 必ず事故が起きる!

マルタンの奥さんも、マルタンの小説好きに、やれやれ、と呆れています。

そして、なんとなく夫がジェマに心惹かれている事に感づきながらも、日常をやり過ごしているところも、ここはこういう夫婦なのね、と感じられ面白いです。


映画クラスの進めかた

1.今月の映画を鑑賞

フランス人講師自らが、毎月、オススメ映画を選んでいます。

まず約20分間、フランス映画を鑑賞します。 ハリウッド映画はたくさんあるけれど、フランス映画はレンタルDVD屋さんにも少ないし、そもそもどれが面白いのか、わからない・・・

そんな方にも、おもしろいフランス映画の ”掘り出し物”を知るよい機会だと好評です!

2.フレーズ聞き取りにチャレンジ

聞き取れそうで聞き取れない?!

映画の中のシーンで、ナチュラルな会話を聞いてみましょう。

フランス人同士の会話では、テキストなどで習ったフレーズがそのまま出てくるのではなく、フランス人ならではの省略された言い方になってしまうことが多くあります。

ピックアップしたフレーズから、よりリアルな使い方を、少し練習するときも。

定員4名までの少人数制の教室です。

90分間のレッスンで、オススメの映画を知る、フランス語のセリフを学ぶ、盛りだくさんのクラス。

体験レッスンにぜひ起こし下さい!