もくじ
あらすじ
ベル・エポックの時代のパリ。ニューカレドニアから密かに船に乗りパリにやって来たディリリは、偶然出会った配達人・オレルと共に、パリで近頃横行している幼女誘拐犯を退治するため、彼らの調査を始める。
パリを舞台に描く長編アニメーション。
主人公の少女ディリリはフランス人とニューカレドニアの混血で、たった一人でパリにやってきた。そんなディリリが、青年オレルと出会い、大人の助けを得ながら、悪と立ち向かう。
ストーリーは子どもにもわかりやすいと思うが、社会問題に切り込む視点は大人向けである。まさに、子どもも大人も楽しめる、そして教訓が所々に散りばめられている映画だ。
まず冒頭の、パリ万博で見せ物にされているニューカレドニア原住民、それを面白がって見つめるパリの金持ちたち、の順に引きで見せてゆく構図に、心をグッとやられる。
華やかなパリでも物乞いがいたり、女性をモノのように扱う男性、など、子ども一人では消化しきれない、少し怖いシーンもあるので、子どもの横で大人が一緒に見て、説明してあげる必要があるかもしれない。
オスロ監督は一貫して性別や肌の色、年齢、宗教などで人を区別せず、様々な人種が登場する映画を作り続けてきた。この作品では女性の台頭が目覚しかった時代にあって、それを快く思わない悪者に虐げられる女性たちを描いている。
引用 公式HP:https://child-film.com/dilili/
おすすめポイント
アニメと思って侮るなかれ、大人でも充分に楽しめます。
パリの景色のCGも美しい。
フランスの有名人、ベルエポック時代の芸術家たちが登場し、少女ディリリと関わりを持ちながらストーリーが展開するので、アートや歴史好きの方は玉手箱を順番に開けてゆくような楽しみ方ができます。
ベルエポックの時代とは、つまり19世紀末から20世紀初頭です。
世界から学者や芸術家がパリに集まり、自由で華やかなパリ。街の至るところにミュシャのポスターが貼られている。
科学者のマリ・キュリー、細菌学者のパスツール。
画家のピカソや、マティス。ロートレック。
作家のプルーストやアンドレ・ジッド。
音楽家のサティ。
オペラ歌手 エマ・カルヴェ。そしての彼女の衣装を作るのはファッション・デザイナーのポール・ポワレ。
登場する著名人は100名以上(公式hpより)そして、その個性的な人物たちはアニメーションで描かれているので、より”特徴”がわかりやすい。歴史上の人物を描いたマンガを読んでいた小学生時代に戻ったような、ワクワクした気分で楽しめる。
、
作品情報
製作年: | 2018年 |
---|---|
製作国: | ベルギー・フランス・ドイツ |
原題: | Dilili à paris |
キャスト・監督
監督:ミシェル・オスロ
声の出演:プリュネル・シャルル・アンブロン、エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ
映画クラスの進めかた
1.今月の映画を鑑賞
フランス人講師自らが、毎月、オススメ映画を選んでいます。
まず約20分間、フランス映画を鑑賞します。 ハリウッド映画はたくさんあるけれど、フランス映画はレンタルDVD屋さんにも少ないし、そもそもどれが面白いのか、わからない・・・
そんな方にも、おもしろいフランス映画の ”掘り出し物”を知るよい機会だと好評です!
2.フレーズ聞き取りにチャレンジ
聞き取れそうで聞き取れない?!
映画の中のシーンで、ナチュラルな会話を聞いてみましょう。
フランス人同士の会話では、テキストなどで習ったフレーズがそのまま出てくるのではなく、フランス人ならではの省略された言い方になってしまうことが多くあります。
ピックアップしたフレーズから、よりリアルな使い方を、少し練習するときも。
定員4名までの少人数制の教室です。
90分間のレッスンで、オススメの映画を知る、フランス語のセリフを学ぶ、盛りだくさんのクラス。
体験レッスンにぜひ起こし下さい!