フランス映画「Mr.レディ Mr.マダム」

あらすじ

フランスのナイトクラブのオーナー、レナートと、パートナーで店の看板女優であるアルバンはゲイのカップル。喧嘩をしながらも、長年、連れ添ってきた。

アルバンのことを愛するレナートだったが、彼には、20年前女性との気まぐれな恋で授かった息子ローランがおり、アルバンも母親代わりとして育ててきた。

ある日そのローランが帰省。「パパ、結婚するよ」と告げられる。

しかし息子の恋人は、不道徳を許さない保守派の政治家らしい。

ゲイの両親で、ナイトクラブ経営ということを相手の厳格な両親に知られては大変だと、レナートたちは普通の家族を演じるべく準備にとりかかる。

作品情報

公開年:1978年
製作国:フランス/イタリア
原題:La Cage aux Folles

キャスト・監督

監督:エドゥアール・モリナロ

脚本:フランシス・ヴェベール

音楽:エンリオ・モリコーネ

出演:ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・セロー、


評価 :4/5。

感想

フランスで7年間も上演されていたという、ジャン・ポワレ原作の舞台劇。

この「Mr.レディ Mr.マダム」は、その大ヒットした劇場作品の、映画化である。コメディ好きなフランス人にとっては誰でも知っているような作品らしい。そんなこととは知らずに、ゲイの作品は私個人的には好きだけと、人には進められないわ、と、一度観て、すっかり忘れていたのだが、フランス人に勧められて2度目の鑑賞。

レナート(ウーゴ・トニャッツィ)はイタリア風のダンディなおじさん。ダンディ過ぎて、彼の役がゲイである事が、物語の序盤はスルッと入ってこなかった。

序盤は、主人公の部屋の置き物や小物、しぐさや行動など、ゲイであるからこそのネタによって、とにかく細かく細かく笑かしてくれる。

そのうちに、「ゲイ映画」とか「オカマ」というところを超えて、この主人公夫婦の愛情や、人間味に惹かれてゆく。

映画が中盤を過ぎる頃には、もはや「オカマを題材とした映画」ではなく、人間ドラマとして鑑賞している。

この作品がフランスでヒットしたのも、頷ける。物語の登場人物に悪い人がおらず、皆が自分の考え方や人生、背負っている物に一生懸命に向き合っている姿に、感情移入する。

映像は白いボヤがかったような、なんだか昔の映画、という感じ。

フランス人やイタリア人の素敵な所作も存分に見られるので、日本人にとっては見応えのある映画の一つだと思う。


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