クリスマスソング「赤鼻のトナカイ」フランス語で歌おう

日本語でもみんなが知っている「赤鼻のトナカイ」

「サンタが街にやってくる」、「ジングルベル」と並ぶ三大クリスマスソングですね。

フランス語でも歌えるように、歌詞を訳してみました。

タイトル

Le petit renne au nez rouge

ル プチ れンヌ オウ ネ るウジュ

※フランス語のRの音は日本語のラリルレロと違うので、ひらがなで表記しています。

Le renne (ル れヌ)トナカイ
Le nez (ル ネ)鼻
rouge (るウジュ)赤

タイトルは日本語よりも長くなりますが、意味はそのまんまです。Rの単語が2つも出てくるので、タイトルをすらっと言うだけでも発音練習に!

では、1番の歌詞を見てみましょう。

On l’appelait nez rouge
Ah ! comme il était mignon
Le petit renne au nez rouge
Rouge comme un lumignon

赤鼻と呼ばれてた 
あぁ なんて可愛いのだろう
赤い鼻のトナカイ
ろうそくみたいに赤い

un lumignon 

ロウソクの芯、薄暗いランプ

2行目の

「Ah ! comme il était mignon(なんて可愛いのだろう)」

は、歌の状況からするとバカにして言っている感じですよね。本当に可愛いと思っておらず、嫌味で言っているニュアンスでしょうか。

Son petit nez faisait rire
Chacun s’en moquait beaucoup
On allait jusqu’à dire
Qu’il aimait boire un petit coup

彼の鼻は笑わせていた
誰もがバカにしていた
彼はお酒を飲むのが好きなんだと

Son petit nez faisait rire 
「鼻が笑わせていた」と、「鼻」が主語になっている文章です。日本語で直訳すると少し違和感がありますが、ここにフランス語っぽさを感じます。

Chacun s’en moquait beaucoup
se moquer (読み方:ス モケ)
からかう、バカにする という意味の動詞。

例)
Tu te moques de moi.
君が私をからかう。

この場合、からかわれる人は de 〜 と後ろにつけて使います。

Tu me moques

ではありませんのでご注意を。

boire un petit coup 

慣用句的な使い方で、ちょっとお酒を引っかける、のような意味です。

On boit un petit coup avant de partir?
出かける前に一杯飲んでいこう

など

Une fée qui l’entendit
Pleurer dans le noir
Pour le consoler lui dit :
Viens au paradis ce soir

妖精が暗闇で泣く声を聞いた。
彼を慰めるために
今夜、パラダイスにおいでよと言った

consoler(コンソレ)
慰める


例)

consoler un enfant qui pleure

泣いている子どもを慰める

paradis (パラディ)
天国、楽園

Comme un ange, nez rouge
Tu conduiras dans le ciel
Avec ton petit nez rouge
Le chariot du Père Noël

天使のように
キミが空を飛んでね
キミの赤い鼻で(照らしながら)ね
サンタクロースのそりをね

conduire (コンデュイーる)

運転する

ですが、空の運転なので、「飛んでくださいね」という感じで良いかと思います。

ここまで、なんとなく日本の歌詞との共通点が多いです。

同じ歌なんだなって感じがします。

メロディーも、ここまでが1番(よく耳にする、1コーラスのパート)と思われる箇所です。

さて、なんだかこの次のパートだけ、日本語の歌に、こんなパートあったっけ?というようなメロディーです。

Quand la neige recouvre la verte Finlande
Et que les rennes traversent la lande
Le vent dans la nuit
Au troupeau, parle encore de lui

雪がフィンランドの緑を覆い隠す時
トナカイたちが大地を横切る
夜風が(トナカイの)群れに
彼(赤鼻)のことをまだ話してるよ

メロディックに歌い上げている箇所で、大地、雪、フィンランド・・ステキな情景が浮かぶような単語ばかりではありますが、内容としては、赤鼻のトナカイ(彼)を、風までもが他のトナカイたちにまだバカにしてこう言いますよ〜、という前振りのような感じですかね。

また、馴染みのメロディーに合わせて歌が進みます。

On l’appelait nez rouge
Ah ! comme il était mignon
Le petit renne au nez rouge
Rouge comme un lumignon

私たちは赤鼻と呼んでいた 
あぁ なんて可愛いのだろう
赤い鼻のトナカイ
ろうそくみたいに赤い

Maintenant qu’il entraîne
Son char à travers les cieux
C’est lui le roi des rennes
Et son nez fait des envieux

今 彼は引っ張ってゆく
自分の車を 空を横切って
彼がトナカイの王様だ
彼の鼻は誰もが羨む

他のトナカイは地面を走るけれど、赤鼻のトナカイは空を走る。

しかも、あのサンタクロースを乗せるという大役で!だから、他のトナカイはまだバカにしているけれど、実は彼がトナカイの王様なんだ、という状況なのでしょう。

さて、ここからは日本語の歌詞にはないような意味合いの歌詞です。メロディーは繰り返しになっています。

Vous fillettes et garçons
Pour la grande nuit
Si vous savez vos leçons
Dès que sonnera minuit

少女たち、少年たち
クリスマスの夜が来て
もしこの教訓を知っているなら
真夜中のチャイムがなってからすぐ・・

Ce petit point qui bouge
Ainsi qu’une étoile au ciel
C’est le nez de nez rouge
Annonçant le Père Noël

その小さな動く点
空の星のように
それは鼻、赤い鼻
サンタクロースがそこにいるということ

Annonçant le Père Noël

サンタクロースがそこにいるということ

一つ前のブロックの「vos leçons」 は何のことかあまりよくわかりません。(フランス人に聞いてみても、何を示すのかハッキリわからないということで)

日本語の歌は、赤鼻のトナカイのことについてのみで歌は完結していますが、フランス語の場合には、子どもの目線までグッと引いて、終わっています。

クリスマスの日に空で動いている小さな点があったら、それは「輝く赤い鼻」つまり、サンタさんを乗せて走っている赤鼻のトナカイだよ、と、子どもたちに教えてあげるような歌詞になっていますね。

つまりはラストパートの歌詞が別物なので・・全部を歌うのは大変ですね。

赤鼻のトナカイは、「みんなと違う」けど、

「だから、できることがある」というメッセージだそうです。

フランス語バージョンでは、「サンタのおじさんが言いました」ではなく、天使がトナカイに話しかけているところも、ちょっと違う点で新たな発見でした。