フランス映画「ランジェ侯爵夫人」

あらすじ

ランジェ公爵夫人とモンリヴォー将軍。

19世紀パリの虚飾と欺瞞に満ちた貴族社会を舞台に、すれ違いの愛に生きる二人の数奇な運命を描く。フランスの文豪バルザックの名作。

交通事故で右足の切断を余儀なくされたモンリヴォー将軍役のギヨーム・ドパルデュー(ジェラール・ドパルデューの息子)が義足で演じる。

作品情報

製作年:2007年
製作国:フランス
原題:La Duchesse de Langeais

キャスト・監督

監督:ジャック・リヴェット

出演:ギョーム・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバール


評価 :1/5。

感想

バルザック文学の映画化です。現代のフランス映画に慣れている自分にとっては、もどかしく、周りくどく、少し退屈な映画でした。

なるほど、小説で、文章でこの一言一言の詩的なセリフを読むなら、確かにドキドキしそうだ。特に二人の会話のフレーズはどれも美しく、フランス語のお手本のよう。でも映画になると、この淡々とした暗い雰囲気はパンチがなく陰気で、心を掴まれない。

昔の映画かと思いきや、2000年代の映画だから驚く。

こちらの映画を鑑賞した理由として、レビューの点数が結構高かったからなのですが、なぜ評価が高いのか、不明です。

鑑賞後にいくつか、レビューを読んでみて、気づいたこととしては、もっと年齢を重ねてから見ると体と心に染み込むらしいです。または、文学やフランス映画の世界にどっぶり浸っている上級者向きの映画なのかもしれません。

なんとなく共感できるレビューがありましたので、引用します。

****以下映画レビューサイトから引用******

ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠リヴェット監督が、かつて『美しき諍い女』で「映画における絵画のリアル」を追及したとしたら、本作では「映画における文学のリアル」を追及したに違いない。当然のことながら映画は動画と音で視覚と聴覚に訴えるものだが、既に作れている場面を受動的に観るのではなく、あたかも小説(文字)を読み、読者が想像によって場面を再現することを映画で試したような印象だ。時折インサートされる字幕によるト書きといい、不必要な音楽を排除した点といい、スリリングでドラマティックなバルザック文学の奥行きをストレートに表現したかったに違いない。ここに登場する俳優たちは、我々が想像を膨らますためのガイドとなり、一見何を考えているのか表情からは読み取れないランジェ公爵夫人と、終始不機嫌でしかつめらしいモンリヴォー将軍の内面を必死に探ることになる。このことと、序盤の夫人が将軍にしかける恋の駆け引き(夫人からの一方的なお遊び)から、中盤以降、一転して夫人が将軍に捧げる激烈な愛情(これまた一方的な)と、一気に悲劇に転がる終盤という、捻じれる恋愛模様を描くストーリーとが相まって、観ていてとても疲れる(笑)。しかしこれはリヴェット監督の狙い通り、重厚な長編文学を「読む」際の疲労感と同じものだ。華やかな社交界に生きる公爵夫人にとっての恋愛価値観は、恋愛を力でねじ伏せようとする無骨な将軍の登場で180度変わってしまう。激しい恋愛感情をコントロールできなくなった公爵夫人と、意固地なプライドによってそれを受け入れない将軍。愛し合っているのは解っているのに、2人の感情は最後まで一方通行のままだ。それぞれの行き場のない感情に、もどかしさを通り越して憤りを覚えた。表面的には優雅で静かな作品だが、巨匠の放つ文芸ロマンスは、足もとからジワジワ焼かれるような痛みを伴う。

******引用ここまで****** 引用元「映画における文学のリアル」


映画クラスでフランス語を学ぼう

フランス人講師自らが、毎月、オススメ映画を選んでいます。

ハリウッド映画はたくさんあるけれど、フランス映画はレンタルDVD屋さんにも少ないし、そもそもどれが面白いのか、わからない・・・

そんな方にも、おもしろいフランス映画を知るよい機会だと好評です

映画の中のシーンで、ナチュラルな会話のセリフから、実践的なフランス語を、楽しみながら学べる映画クラス。

定員4名までの少人数制の教室です。

体験レッスンもございます。

フランス語会話力を磨きたい!そんな方に。会話サロンはいかがですか

Tagged on: