有名な文学作品だから必ず面白いというわけではない。現代の自分達が見れば、当時はセンセーショナルな作品であったとしても、それほどの衝撃はない。それでも、何かこの映画には、黒いもやもやとしたものがあって、それをフランス映画としては少し長めの2時間たっぷり見ることで、人間の欲だとか、見栄だとか、失敗だとか、そういうものを観させられ、なんかズーンと暗い気分になり、眠れなくなってしまった。
フランス映画「未来よ こんにちは」熟年離婚、その後の一人で生きる人生をしっとり描く。
パリの高校で哲学を教えているナタリーは、同じ哲学教師の夫と独立している二人の子供がいる。パリ市内に一人で暮らす母の介護に追われながらも充実した日々。そんなある日、突然夫から、好きな人ができた、と打ち明けられる。