あけましておめでとうをフランス語で【フランス人の新年・お正月の過ごし方】

クラッカー・パーティ

フランス語の新年の挨拶
あけましておめでとう
Bonne Année
(ボンナネ!)

どちらかというと、新年は友達とパーティ!というのがフランス人の多くの過ごし方です。

若いフランス人たちは、友達を家に呼んで、ゲームをしたり食事をしたりして楽しく騒ぎながら、夜中を0時を迎えます。

3人の若い男女がホームパーティで楽しくお酒を飲む様子

カウントダウンが終わると、皆で、フランス語の「あけましておめでとう」の挨拶の、

Bonne Année
ボンナネ!

を言いながら、そこにいる全ての人とビズして回ります。ビズは、頬の横でチュッと音を鳴らす、フランス人の挨拶です。

Bonne Année, Bonne santé!

ボンナネ、 ボンサンテ!

(あけましておめでとう、あなたの健康を祈ります!)

など、笑顔で言い合います。

子どもが大きくなった夫婦は、例えば、家の近い親戚同士や仲の良い友達夫婦で家でディナー、新年を迎えるまで、大人同士でお酒をのみ、夜中の0時を過ぎて

「Bonne Année!」のビズをしたら、家に帰る、そんな過ごし方だったりします。

上記も一例で、全てのフランス人がパーティをするわけではありませんが、クリスマスの「家族でゆっくり過ごす」イメージとは反対に、どちらかというと楽しくワイワイと過ごすことが多いようです。

グラス片手にプチクロワッサンをつまむ

子どもがいる家庭でも、子どもはおばあちゃんの家に泊まらせ、大人は友達同士のパーディに参加する、など、日本人に比べ、フレキシブルなフランス人です。

そもそも普段から、子どもがいるから外には出かけられない、という考えではない家庭が多く、両親(おばあちゃん、おじいちゃん)も、

「(孫を)預かるから友達同士で楽しんできていいわよ」という文化のようです。

新年のメッセージフレーズ例

ピンクのリボん

あけましておめでとう

Bonne Année!
ボンナネ!

新しい年を迎えて初めて会った人には、ボンナネ!と挨拶をします。

目上の人にも、「ボンナネ!」です。

「あけましておめでとうございます。」よりも、かなり短い言葉ですね。

でもフランス語では、「あけましておめでとう」と「あけましておめでとうございます。」の使い分けは特にないので、この一言を使います。

挨拶の言葉を言ったら、親しい人とはビズをするのが通例です。ビズは、頬の横でチュッと音を鳴らす、フランス人の挨拶です。ボンナネ、の後に、以下のようにフレーズを付け加えても良いです。

あけましておめでとう、あなたの健康を祈ります!

Bonne Année, Bonne santé!

ボンナネ、 ボンサンテ!

santé は「健康」という意味のフランス語です。日本人にとってもフランス人にとっても、お互いの健康を願う気持ちは世界中同じですね。

あなたにとって良い新年になりますように

Je vous souhaite une très bonne année.

ジュ ヴ スウェテ ウヌ トれ ボンナネ 

(あなたにとって良い新年になりますように。)

Je vous souhaite〜 は、お祝いの気持ちを伝える時によく使う言葉で、とても丁寧な言い方です。 

très(トれ)は、「とても」という意味の形容詞です。

良い一年になりますように、と伝え合う習慣は、日本もフランスも同じですね。とても温かい気持ちになります。

新しい年を迎える前にも、「ボンナネ」の言葉は「良いお年を」という意味合いで使います。

「良いお年をお迎えください」という思いを込めて、メッセージカードを送る時にも、このフレーズはぴったりです。

たくさんの幸福があなたに訪れますように。

たくさんのカラフルな飴玉

Je vous souhaite beaucoup de bonheur.

ジュ ヴ スウェテ ボクー ド ボンヌーる 

beaucoup de(ボクー ド)は、たくさんの、という意味の形容詞です。

bonheur(ボンヌーる)は、幸せ、幸福、という意味の名詞です。

Je vous souhaite(ジュ ヴ スウェテ)

は、お祝いの言葉を伝える時に使う、

「私はあなたの〜を願います。」という丁寧なフレーズです。

「あなたのたくさんの幸福(が訪れる事)を祈ります。」

という、温かい一言です。

メリークリスマス、良いお年を!

クリスマスのテーブルセット

Joyeux Noël et Bonne Année !

ジョワイユー ノエル エ ボナネ

あけましておめでとうの言葉は、クリスマスの挨拶、「ジョワイユー ノエル」とセットで使う場面も多々あります。

フランスの新年の挨拶、「ボナネ!」は、年が明ける前と後の両方で使うのです。

同じ言葉でも、年が明ける前に相手に言う場合には、「良いお年をお迎えください」と言う意味合いに、年が明けてからは、「あけましておめでとう!」という意味合いになります。

良いクリスマスを、そして良い新年を。

Je vous souhaite un joyeux Noël et une bonne année.

ジュ ヴ スウェテ アン ジョワイユー ノエル エ ウヌ ボナネ

クリスマスの時期に、「良いお年を」とセットで使うときのフレーズです。

Je vous souhaite〜 (ジュヴスウェテ・・・)は、お祝いの気持ちを伝えるときの定番の言い方です。とても丁寧な言葉です。

結婚のお祝いや、誕生日など、場面によって、たくさんのバリエーションがあります。

日本では、年賀状を送り合う習慣がありますが、フランスに年賀状はなく、クリスマスカードを送ります。

また、普段から会っている知人にも必ず郵便で送るという物ではなく、プレゼントを渡す機会があったら、カードを添える、離れて暮らしている友人にカードでメッセージを伝える、などのような習慣です。

幸せを願う気持ちを、言葉やメッセージカードで伝えてみてはいかがでしょうか。

フランス人の正月の過ごし方

正月は友達とパーティ、クリスマスは家族

新年を迎える瞬間には、若いフランス人は友達と楽しくパーティなどして過ごすことが多いようです。

フランス人にとって、クリスマスは家族と静かに過ごす日、新年は、友達とワイワイ過ごすもの。

日本では、大晦日は、TVを見ながら、年越しそばを食べ、年が明ける瞬間は除夜の鐘を聞き、年が明けたら、神社へお参りに、と、どちらかというと静かに過ごすことが、まだまだ多いでしょうか。

1月1日が休みなら、親戚の家へ遊びに行って、「ボンナネ!」を言います。親戚の家に遊びに行く点では、日本のお正月と、似ているでしょうか?

新年を迎える街の様子

クリスマスの装飾がされたフランスのパティスリー

クリスマスで華やかに飾り付けられた街並みは、新年を迎えるまで、飾ったままにしておくことが多いようです。家庭でも、クリスマスツリーはクリスマスを過ぎたらさっさと片付けてしまうのではなく、1月になってもまだ眺めて楽しんでいます。

クリスマスに引き続き、新年はフランス人にとっても楽しいイベントです。スーパーマーケットも、オリジナルの飾り付けで店内が華やかになり、ワクワクするような雰囲気です。

食料品のみでなく、雑貨も売っている大型スーパーマーケット

Hypermarché

イーペルマルシェ

では、パーティサイズの食料品がたくさん売っています。

クリスマス前に山積みされた美味しそうなチョコレートやお菓子は、クリスマスを過ぎるとたいていは一気に値下げされます。

新年を迎えるこの時期に、クリスマスの余り物(?)を物色しに大型スーパーマーケットをウロウロするのも、楽しいものです。


フランス人が1月に必ず食べるお菓子
「ガレット・デ・ロワ」

フランスのお菓子、

ガレット・デ・ロワ(Galette des rois)

をご存知でしょうか?

フランスの家庭にこの時期に滞在したことのある方なら、この伝統的なお菓子に出会っているかもしれません。アーモンドクリームが入った、パイ菓子です。

フランスの他に、ケベック、スイス、ルクセンブルグ、ベルギー、アカディ(北米にある、フランスの旧植民地)、レバノンなどで食べられています。

ガレット・デ・ロワのユニークな食べ方

お菓子の食べ方は、ユニークです。伝統的には、大人が切り分け、小さい子どもが誰に配るかを指名します。具体的には以下のようにします。

  1. まず、家族の中で、たいていは一番年下の子どもが、テーブルの下に隠れます。
  2. 大人の一人が、カットしたガレット・デ・ロワをお皿に取りながら、
  3. 「これは誰の?」と聞き、テーブルに下に入った子どもが、家族の名前を適当に言います。
  4. これを、一つ取り分ける度に繰り返します。
  5. そして、みんなで揃って自分のお皿に取り分けられたガレット・デ・ロワを食べます。

実はガレット・デ・ロワの中には、一つだけ「フェーヴ」と呼ばれる、陶器の小さな人形が入っていて、自分の取り分けられたピースの中にこの「フェーヴ」が入っていた人が、「王様」です。

フェーヴが当たった人は幸運が1年間続くといわれています。

おみくじのようですね。正月恒例のゲームのようなもので、フランスの家庭では、家族みんなで楽しみます。

ちなみに、fève(フェーヴ)ソラマメの意味です。陶器でできているので、当然食べられません。

フランスの習慣から、歴史を知る

さて、ここからは、フランスの1月のお菓子、ガレット・デ・ロワの歴史について、述べています。少しマニアックな内容になっております。

ガレット・デ・ロワの歴史は、当教室の「フランス文化クラス」でテーマにしたことがあり、その内容を簡単にして載せています。フランス語でフランス文化を説明するフレーズもありますので、興味のある方は読んでみてくださいね。

ガレット・デ・ロワの習慣はいつから?

ガレット・デ・ロワの起源は古代ローマ時代だそうで、かなり昔からあるのです。

「お菓子の中に一つだけ入っている、フェーヴを当てた者は王に対して願いを聞き入れてもらう権利を得た」という、宮廷の中での遊びの一つでもありました。

ルイ14世の宮廷においても行われた記録があります。

しかし、「太陽王」と呼ばれたルイ14世は、のちにこの風習を廃止したそうです。

太陽王ルイ14世:参考wikipedia

フランス語でフランス文化を説明するフレーズ①

(しかし)太陽王はこの風習を廃止した。

Mais « le Roi Soleil » décida d’abolir cette coutume. 

ガレット・デ・ロワを食べる「エピファニー」

さて、日本では1月7日は七草粥、2月3日には節分の大豆を食べますが、1月のお菓子であるガレット・デ・ロワを、フランスでは1月何日に食べるのでしょうか?

伝統的には、1月6日です。毎年、1月6日は「エピファニー」と呼ばれるキリスト教のお祭り(公現祭)で、このエピファニーで食べるお菓子が、ガレット・デ・ロワなのです。

現代では、1月6日に近い土日にこのお祝いをするようです。

L’épiphanie

(エピファニー)

という言葉は、突然のひらめき、という意味があります。

「コトバンク」より

元来は、キリストの顕現の意。文学で、平凡な出来事の中にその事柄、・人物などの本質が姿を表す瞬間を象徴的に描写すること。

なぜエピファニーが1月6日なのかと言いますと、それはイェス・キリストの誕生に関連しています。次の章で、詳しく説明します。

フランス語でフランス文化を説明するフレーズ②

エピファニーはキリスト教の祭りの一つです。

L’épiphanie est une fête chrétienne. 

レピファニー エ ウヌ フェット クれチエンヌ

このお祭りは毎年1月6日に祝われる。

Cette fête est célébrée le 6 janvier de chaque année. 

セット フェット エ セレブレ ル シス ジョンヴィエ ド シャ カネ

イエス・キリスト誕生の物語から

フランスの文化や風習と、キリスト教は、とても深く関係しています。

Noël

ノエル

はフランス語で「クリスマス」のことですが、このノエルである、12月25日の12日後の1月6日に、「東方の三賢者」(とうほうのさんけんじゃ)が、キリストの誕生を確認し、「世に明らかに」しました。

※三賢者、または三博士、三賢人などと呼ばれています。

クリスマス(ノエル)にはクリスマスツリー(Le sapin de Noël ル・サパン・デ・ノエル)を飾りますが、フランスの家庭では、クリスマスツリーの他に、キリスト誕生のシーンを再現した、馬小屋の模型を飾ります。

これを、フランス語では

Crèche

クレーシュ

と呼びます。

このクレーシュには、必ず、贈り物を持った三賢者がいます。

ちなみに、このクレーシュに飾ってある人形は、クリスマス時期になるとフランスのクリスマスマーケットや蚤の市でよく見かけます。

「東方の三博士」の本当の目的とは?

さて、この「三賢者」は、キリストの生まれた日に、厩に訪ねてきた、3人の学者です。

三賢者それぞれが、贈り物をイエス・キリストの誕生のお祝いとして、献上しました。

三賢者は、ヘロデ王からの指令により遣わされました。

誕生したばかりのキリストのいる場所を、ヘロデ王に伝えることが指令でした。

実は、ヘロデ王は、ユダヤの王と考えられていたキリストに嫉妬し、殺そうと考えていたのです。

しかしヘロデ王のこの企みを天使から告げられた三博士は、ヘロデ王のもとには戻りませんでした。


上記のフランスの歴史について、フランス語で説明する文章を載せています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

フランス語でフランス文化を説明するフレーズ③

Le roi Hérode, très jaloux que l’enfant Jésus soit considéré comme le roi des Juifs, voulait rendre visite à l’enfant pour le tuer. 

Les rois mages ne connaissaient pas les intentions d’Hérode, et avant de commencer leur long chemin du retour, les 3 hommes virent un songe. 

Dans ce songe, un ange leur expliqua  toute la vérité sur leur mission. L’ange leur ordonna de ne pas revenir auprès Hérode et de se sparer chacun de son côté. 


まとめ

フランスの新年の迎え方について紹介しましたが、いかがでしたか?

  • フランス語の新年の挨拶
  • フランス語の新年のメッセージ例文
  • フランス人の新年の過ごし方・習慣
  • フランス人が1月に食べるお菓子

から、さらにその1月のお菓子ガレット・デ・ロワの歴史などを紹介しました。日本と違う点もあり興味深いですね。

新しい年を祝う気持ちは、どの国でも同じです。

それでは、

Bonne Année!