名作フランス映画ランキング。フランス人に愛される映画が日本で有名だとは限らない!

フランスで人気の映画は意外と・・

日本でも人気のフランス映画ですが、日本に輸入されるのはあくまで、「日本人にウケそうな」フランス映画。フランス人が好きな映画と、日本人にとって有名なフランス映画には、違いがあるのでしょうか?このページでは、フランス国民に人気のある、長年愛されているフランス映画を、ランキングで紹介しています。

まず、すべての映画の中で、フランスで最も観客動員数の多かった映画は・・・

1位 『タイタニック』(米・1997年)20 758 841人 

2位 『Bienvenue chez les Ch’tis』(仏・2008年)20 489 303人

3位 『最強のふたり(intouchable)』(仏・2011年)19 490 688人

一位が、日本でも大ヒットしたハリウッド映画「タイタニック」なんですね。

この辺りは、日本国内の国内動員数興行収入ランキングにも10位以内に入っているので、世界共通なのでしょうか。

3位の「最強のふたり」は、感動作として日本でも有名なフランス映画です。DVDで借りて見ることができます。

しかし、2位の、『Bienvenue chez les Ch’tis』は、ご存知の方は少ないのではないでしょうか?

それでは、ここからは、フランス国内観客動員数の多かった映画のうち、「フランス映画」に絞ったランキングをご紹介します。


歴代フランス映画
1位〜3位

なんと1位と3位がコメディ!2位は日本でも有名なあの映画です。

1位「Bienvenues chez les Ch’tis」

ようこそ、シュティの国へ

コテコテのローカルフレンチコメディ

ようこそ、シュティの国へ

この映画は興行成績がパリ近郊で、なんと最初の一週間だけで83万8千人集客したそうです。突然フランスの北部の地に単身赴任になった主人公の男性の、地元の人たちとの交流を描いたコメディ映画。

タイトルにもある「Ch’tis(シュティ)」というのは、フランスの北部に住んでいる人達の呼称です。悲惨とばかり思っていた北部の暮らしの素晴らしさと人々の温かさがユーモアたっぷりに描かれています。

Cheutimi(シュティミ)と呼ばれる、訛りが強い北部のフランス語は、フランス人でも聞き取りにくいそうです。映画の中には、主人公が街の老人と話すと訛りがひどすぎて一切理解できない、というシーンなどがあり、フランス語学習者の方は、その言葉の違いに注目して鑑賞するのも一つです。

公開年:2008年

監督:ダニー・ブーン

出演俳優:カド・メラッド、ダニー・ブーン、ゾエ・フェリックス

2位「最強のふたり」

Intouchables

世界中で絶賛!実話を基にした感動のヒューマン・コメディ。

首から下が麻痺した大富豪と、その介護人となった黒人青年が真の友情を育んでいく姿を描く。実話をベースとする障害者の話ですが、決して偽善的でもなく、ゲラゲラ笑えるコメディ。多くの人の心を捉えた感動作です。

この作品で、オマール・Cを知った映画ファンも多いことと思います。

最強のふたり詳細ページへ

公開年:2011年

監督:エリック・トレダノ

出演俳優:オマール・シー、ダニー・ブーン、ゾエ・フェリックス

3位「大進撃」

La Grande Vadrouille

おっさんのドタバタ劇

1999年に『タイタニック』にトップの座を奪われるまでは、30年以上に渡ってフランス人が一番好きな映画作品とされていました。

第二次大戦下のパリ、ドイツ軍に追われるイギリス兵を嫌々ながらもかくまい、イギリス脱出を手助けするフランス人コンビが活躍するコメディ。

フランスでは知らない人はいない、コメディ俳優のルイ・ド・フュネス。日本の若い方はあまり知らないかもしれませんが、フランス映画の歴史には欠かせない存在で、多くのフランスの映画俳優たちからリスペクトされています。

ルイ・ド・フュネスのコテコテのドタバタコメディを1本でも見ていると、映画好きのフランス人との会話が弾むこと間違いなしです。

フランス語タイトルのの「vadrouille」は「ぶらぶら歩き」「散歩」あるいは「放浪」という意味だそうです。

公開年:1966年

監督:ジェラール・ウーリー

出演俳優:ルイ・ド・フュネス、ブールヴィル、マリー・デュポワ


歴代フランス映画
4位〜10位

フランスと言えば、ロマンチック、綺麗なパリの景色、などを想像するかもしれませんが、トップ3のうち、2作品はコメディ映画でした。さて、4位から10は一体どんな映画がランクインしているのでしょうか・・・?国内の観客動員者数ランキングを元にしています。

4位  ミッション・クレオパトラ

Astérix et Obélix:Mission Cléopâtre

バンドデシネの実写映画化第2作

紀元前52年、ローマ帝国支配下のエジプト。ローマ皇帝シーザーは、ローマこそ偉大な国と信じエジプトを見下していた。そんな彼の言動に、美しきエジプトの女王クレオパトラはついにプッツン。シーザーを見返しエジプトの民の偉大さを証明してやろうと、90日間で砂漠のド真ん中に豪華絢爛な宮殿を建てると宣言してしまう。そして、まともに納期も守れない前衛建築家ニュメロビスがその建築に当たるハメに。もし出来なければ彼の体はワニのエサ! 困ったニュメロビスは、魔法の薬を調合するという僧パノラミックスに助けを乞うため、ガリアへと向かうのだった…。

公開年:2002年

監督:アラン・シャバ

出演俳優:クリスチャン・クラヴィエ・ジェラール・ドパルドュー、モニカ・ベルッチ

5位「おかしなおかしな訪問者」

Les Visiteurs

ジャン・レノの代表的なコメディ!

中世の騎士が現代にタイムスリップしてしまうコメディ。レオンでのクールな殺し屋が日本では有名なジャンレノですが、実はコメディ映画も大得意。

中世フランスの領主ゴッドフロワ(ジャン・レノ)は、魔女の呪いによっていいなづけフレネゴンドの父親を殺してしまう。悩んだゴッドフロワは、時空を移動できる秘薬によって従者ジャクイユと共に過去に戻るが・・・。

公開年:1993年

監督:ジャンマリー・ポワレ

出演俳優:ジャン・レノ、クリスチャン・クラヴィエ、ヴァレリー・ルメルシエ

6位「陽気なドン・カミロ」

Le Petit Monde de don Camillo

フランスとイタリアの合作、モノクロ映画。

イタリアの片田舎に住む司祭カミロと共産党員の町長ペポネ。二人は何かと対立するが幼馴染ゆえ堅い友情で結ばれていた。そんな二人の周りで起こる様々なエピソードを描いた傑作コメディです。

コミュニズムとキリスト教の対立という、世界大戦後のイタリア内での対立が見え、また腐れ縁、とも言える男の友情が胸を打つ作品です。

公開年:1952年

監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ

出演俳優:、フェルナンデル、ジーノ・チェルヴィ

7位「最高の花婿」

Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu ?

人種問題をおもしろ可笑しく理解させてくれるコメディ&恋愛映画

自分たちは敬虔なカトリック教徒なのに、4人の娘たちの婿は、ユダヤ人、アラブ人、中国人、そして、コートジボワール人。色とりどりの家族に愛と平和は訪れるのか?文化やの違いを、ユーモアを交えながら描く

– 観客数: 12 361 430人最高の花婿の詳細ページへ

公開年:2014年(日本一般公開は2016年)

監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン

出演俳優:クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー、エロディ・フォンタン

8位「大追跡」

Le Corniaud

フランス、イタリア、スペイン共同制作の大爆笑映画!

知らない内にギャングの運び屋をさせられていた冴えない中年男性と、その後を追うギャングのドタバタコメディ。有名コメディアンが共演、フランスで大ヒットした作品です。

バカンスに旅立とうとしていた中年男性マーシャルは、突然車に追突される。事故のお詫びとして、多額の旅費を受け取りキャデラックでイタリアに向かうが・・・

3位にランクインした映画の主演俳優、ルイ・ド・フュネスのドタバタコメディが、ここでもラインクイン。

フランス語タイトルのLe Corniaud(ル コーニヤー)は、「馬鹿者」という意味。英題はThe Sucker(騙されやすい人)だそうです。

主演の二人の俳優はフランス人なので、言語は主にフランス語ですが、物語の半分はイタリアを舞台にしており、イタリアの風景が出てきたり、ごく簡単なイタリア語の会話も聞くことができます。

公開年:1965年(日本公開は1966年)

監督:ジェラール・ウーリー

出演俳優:ブールヴィル、ルイ・ド・フュネス

9位「レ・ブロンゼ/再会と友情に乾杯!」

Les Bronzés 3:Amis pour la vie

バカンスが大好き、いくつになっても恋愛、な愛すべきフランス人

バカンスが大好きなフランス人のお気楽なコメディ。徹底的にドタバタ、悲喜こもごもを詰めに詰め込んだコメディ。
主な登場人物は皆60歳くらいの設定で、それぞれ個性的で面白エピソードがある。フランス人らしい、セリフの数々にも注目しながら、楽しみたい作品。

『レ・ブロンゼ』シリーズ3作品目となる作品。フランス人に人気がある映画シリーズで、1作目はヴァカンス村、2作目スキー場で繰り広げられる群像コメディでした。こちらの3作品目は、リゾートホテルが舞台です。笑いのツボの違いのせいか、日本ではあまり知られていません。

公開年:2006年

監督:パトリス・ルコント

出演俳優:ティエリー・レルミット、ジェラール・ジュニョ

10位「タクシー2」

Taxi 2

フランス人男性に特に人気のカーアクション・コメディー

スピード狂のタクシー運転手ダニエルが活躍するタクシーシリーズ。

ダニエルは、サミットでフランスにやってきた日本の防衛庁長官の運転手に抜擢される。護送中に、長官はテロリスト集団に誘拐され、救出作戦が始まる。誘拐した車が、劇中で”ミツビシ”と言われていたり、日本のヤクザが出てきたりと、日本のモチーフのフランスでの扱われ方にも注目しながら楽しく鑑賞できる。

フランスでは、アクション映画はハリウッドほど量産されていない印象ですが、この「タクシー」シリーズは、フランス人の若い男性に人気です。

特に日本のモチーフがところどころに登場する「タクシー2」を見たフランス人が日本に興味を持ってくれ、「日本って、こうなんでしょう?映画で見たよ」と興味津々に話してくれるかもしれませんね!

脚本はリュック・ベッソン。

公開年:2000年

監督:ジェラール・クラヴジック

出演俳優:サミー・ナセリ、マリオン・コティヤール、フレデリック・ディーファンタル


歴代フランス映画
11位〜20位

すべてのランキング一覧はページ最下部に掲載しましたので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

11位「赤ちゃんに乾杯!」

Trois hommes et un couffin

第11回セザール賞で作品・助演男優・脚本賞を受賞のコメディ映画

独身貴族のジャック、ピエール、そして漫画家のミシェルはパリでアパートをシェアし、たくさんのガールフレンドと付き合う優雅な独身生活を謳歌していた。しかしある日、マンションのドアの前に赤ん坊が置き去りにされているのを発見。男3人の子育てが始まるのだった。

 スリーメン&ベビー (1987年)、 スリーメン&リトルレディ (1990年)、など、リメイクも多数。

公開年:1985年

監督:コリーヌ・セロー

出演俳優:ローラン・ジロー、ミシェル・ブジュナー

12位「レ・ミゼラブル」

Les Misérables

ヴィクトル・ユゴーの名作を映画化した文芸大作

レ・ミゼラブルはフランスでもハリウッド版でも何作品かありますが、歴代12位のこちらは1957年の映画です。数々の映画化作品の中で、最も原作を忠実に再現された作品と高く評価されています。

公開年:1957年

監督:ジャンポール・ル・シャノワ

出演俳優:ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ、ダニエル・ドロルム

13位「わんぱく論争」

La guerre des boutons

子ども同士のケンカを描いた作品。

少年グループの戦いがエスカレートしていき、棒で叩き合うような激しい暴力に入っていく様子を描いた映画。

相手の上着のボタンをむしり取って戦利品とすることに由来し、「ボタン戦争」となっています。1963年版では、主役を含む子役の大半は演技経験がないとの事で、大変驚きました。

日本では、名画劇場などで放映されました。

公開年:1963年/2011年リメイク

監督:イヴ・ロベール

出演俳優:ジャック・ドゥフィロ、エヴィット・エティエヴァン

14位「奇人たちの晩餐会」

Le Dîner de con

やっぱりフランス人はコメディが好き

セザール賞で脚本賞、主演男優賞、主演女優賞を受賞。

金持ちでプレイボーイのブロシャンには密かな楽しみがあった。それはバカな人間を招待しては仲間で笑い物にするという晩餐会だ。

今回はマッチ棒の工作が趣味という税務局勤めのピニョンという男を見つけたのだが、当日ギックリ腰になり動けなくなったブロシャンはピニョンと二人きりになってしまうのだった……。

公開年:1998年

監督:フランシス・ヴェベール

出演俳優:ジャック・ヴィルレ、ティエリー・レルミット

15位「グラン・ブルー」

Le Grand Bleu

フランス人にとっては、ジャン・レノといばこの映画

フランス人ダイバー、ジャックマイヨールをモデルにした映画。

イタリア人ダイバー、エンゾは、ある男を探していた。ギリシアの海辺の町で育ったエンゾはガキ大将で、誰よりも素潜りが得意だったが、彼が唯一認めていたのが、潜水夫の息子である一人の気弱そうな少年だった。

「グランブルー」は、88年の夏に公開されたインターナショナル英語版「グレート・ブルー」の50分近く長いフランス語完全オリジナル版。

この映画は、様々なバージョンがあるようです。

公開年:1988年

監督:リュック・ベッソン

出演俳優:ロザンナ・アークウェット、ジャン・マルク・バール、ジャン・レノ

16位「子熊物語」

L’Ours

有名な「動物タレント」の熊出演。

ロッキー山脈の山奥を舞台に、母親を亡くした子熊と、ハンターに傷付けられた雄熊や人間との交流を、ドキュメンタリー・タッチで描いた大自然ドラマです。

この映画に出演した熊は、有名な動物タレントで、数々の映画に出演しています。監督は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のジャン=ジャック・アノー。

公開年:1988年

監督:ジャン・ジャック・アノー

出演俳優:チェッキー・カリョ、ジャック・ウォーレス

17〜20位紹介は制作中!


ランキング一覧

日本語版がなく、なかなか借りて見ることはできない作品もありますが、知っているタイトルもランクインしています。

1位 Bienvenues chez les Ch’tis

2位   Intouchable(最強のふたり)

3位   La Grande Vadrouille(大進撃)

4位  Astérix et Obélix:Mission Cléopâtre
5位  Les Visiteurs
6位  Le Petit Monde de don Camillo
7位  Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu ?
8位  Le Corniaud
9位  Les Bronzés 3:Amis pour la vie
10位  Taxi 2(タクシー2)

11位 Trois hommes et un couffin
12位  Les Misérables(レ・ミゼラブル)
13位  La guerre des boutons
14位  Le Dîner de cons
15位  Le Grand Bleu(グラン・ブルー)
16位  L’Ours(子熊物語)
17位  Astérix et Obélix contre César
18位  Emmanuelle(エマニュエル夫人)
19位  La vache et le Prisonnier
20位  Le Bataillon du ciel

21位 Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain(アメリ)


参考サイト:ウィキペディア(フランス)

https://fr.wikipedia.org/wiki/Liste_des_plus_gros_succès_du_box-office_en_France#Les_100_premiers_films_au_box-office_français

Le Corniaud (1965)

Le Dîner de cons (1998)

Amélie

The Chorus

Jean de Florette

Taxi 2 (2000)


Le petit Nicolas

フランス映画のセリフからフランス語を楽しく学ぶ、映画クラスは毎月開催しています。