フランス語のアニメ&子ども向けフランス映画でフランス語の学習

先生と子どもたち

フランス人の子どもがフランス語を学ぶように、楽しくフランス語を学びたい!フランス語のアニメや映画を、フランス語の学習に役立てると、よりフランス人らしいフレーズが身につくものです。

また子ども同士の会話は、やたら難しい単語が出てくる大人向けサスペンス映画などと違い、日常生活に密接したフレーズが聞けるのが、良いところ。

こちらのページでは、比較的、聞き取りがしやすいシーンの出てくる子ども向けのフランス映画や、日本でも気軽に見られる、Youtubeのフランス語のアニメを紹介します。


Youtubeですぐに見られる!フランス語学習に役立つアニメ

子どもとパソコンと母親

子どもがフランス語を覚えるのに役立つフランス語のYoutubeアニメを紹介します。

フランスのアニメは、聞き取りの練習に役立てると効果的。

フランスのアニメなので、当然日本語字幕はありません。簡単なフレーズの聞き取りにチャレンジしたい方や、耳鳴らしをしたい方におすすめの方法です。

「Bon Le Train」
基本のアルファベットや数字を学ぶなら

「Bob Le Train」

ボブ・ル・トらン

電車のボブが、AからZまでの擬人化されたアルファベットと出会っていきます。

Bonjour! A!(ボンジューる、Aちゃん!)

のように、アルファベット自身が喋るのが楽しいです。

こちらのビデオは、アルファベットの後に1から10までの数字も出てきます。

私の子どもは、この動画を1歳過ぎた頃から見始め、2歳になる頃にはアルファベットや数字をフランス語で全て言えるようになりました。

「Petit Ours Brun」
家庭内の基本的な会話の聞き取りの練習

Petit Ours Brun

プチ・オウス・ブらン(プチトウスブらン)

シリーズのタイトルを直訳すると、「小さな茶色のクマ」

フランスで昔からあるアニメなので、小さい時にこれを見て育った!というフランス人は多いようです。(日本でいう、アンパンマンやドラえもんのような存在?)

もっと古いバージョンもあります。

クマの男の子の、日常で起こる出来事に関する、パパとママとの会話がメインになります。主人公のクマの年齢は3歳くらいのようですので、例えば

「今日は良い天気」

「スープを食べたくないよー」

「まだ眠くないよ」

など、3歳〜6歳くらいの子どもが言いそうなセリフと、それに対するパパやママのセリフが出てきます。

「ちゃんと上着を来ないと寒いわよ」

「片付けしなさい」

など。

フランス語の初心者の頃は、基本的な会話の聞き取りの練習に。聞き取れなかったセリフは、聞き流しつつ・・・。

また少しフランス語が上達してから改めて聞くと、パパやママのセリフに、日本人にとってつまづきやすいフランス語の文法である、接続法や条件法などが取り入れられている事に気づき、それも参考になります。

このPetit Ours Brun(プチトウスブラン)には、絵本もあります。

T’choupi
友人とのやりとりなど社会的な会話シーンも

T’choupi (チュッピー)

チュッピーという、動物のような可愛いキャラクターが主人公のアニメ。

先ほどのプチ・オウス・ブランよりも、少しだけ年齢層が高めなのかもしれません。会話のバリエーションが増えてきます。

家庭の中の日常会話もありますが、チュッピーが学校に行くお話では、友達とのやりとり、つまり、より社会的な関わりが会話になってきます。

「君がおもちゃを貸してくれないから僕も貸さない」

など、友達同士の会話から

「みんな集まってちょうだい」

など、先生が大勢に話すフレーズなども。

こちらチュッピーシリーズは、絵本もあります。絵本と侮るなかれ、意外にも知らない動詞が出てきて発見があります。

また、カッチリしたテキストの例文とは違う、臨場感のある印象のフレーズ構成になっていたりします。

いつもフランスに行くと買いますが、日本でも欧明社さんで買えるようです。

「Georges le singe」
おさるのジョージのフランス語ver.

Georges le singe
ジョルジュ・ル・サンジュ

絵本でも馴染みのある、おさるのジョージ。

知っているキャラクターなら、フランス語ヴァージョンでも、とっつきやすいですよね。

黄色い帽子のおじさんは、フランス語でなんていうのかしら?

など、幼い頃の記憶とすり合わせながら鑑賞するのも楽しみの一つ。

ジョージが町に繰り出すお話では、市場の人と黄色い帽子のおじさんとの会話などが聞けます。

自分が旅行でフランスに行き、市場で買い物をするときのやり取りで役立つフレーズが聞けるかもしれません。

「Léo Le Camion」
動詞を覚えるのにピッタリ!のアニメ

Le Camion Curieux (レオ・ル・カミオン)

トラックのレオが、家を作ったり、家電を修理したりします。

こちらは男の子が好きそうな、何かを作る、何かを修理する、というメカニックに関するミッションを完了するお話。1話が5分〜7分程度と見やすいです。

機械というと女性には不向きと思われがちかもしれませんが、電子レンジや、冷蔵庫など、家電の名前もたくさん出てきます。そして、丸いタイヤ、四角い窓、など、形や色の名前、形容詞が盛り沢山。

レオは話さず、ナレーションによって物語が展開するバージョンでは、

「見て!レオは○○を持ってきたよ」

「レオ、○○を探してきて」

などのフレーズ。

割と新しいエピソードでは、レオがお話するようになってきて、ガールフレンドの「レア」も登場するなど、ますます楽しくなっています。

フレーズは短めで、たいていは今からやること(目的)を言い、それを達成してゆくという繰り返し。

知らないフランス語の単語が出てきた時にも、ビジュアルで何のことを言っているのかを理解しやすいところがアニメーションの良いところです。

Barbie
女の子のおしゃれな会話!聞き取りに慣れてきたら

Barbie Français(バービー・フランセ)

バービー人形は、女性ならご存知の方も多いと思います。

日本では、リカちゃん人形の方が有名でしょうか。

こちらのCGアニメは、バービーが主人公。子ども向けではありますが、会話のスピードは、前に紹介した3つのアニメに比べて速く、一つのフレーズも長めです。

登場する単語のバリエーションもかなり広く、主に女の子の好きな、メイクアップだとか、ファッションに関する単語が多いのです。

私は、会話を全て聞き取ることは難しくても、この可愛いファンタジックな世界観が好きで、目で楽しみながら、ひたすら聞き流すということをやっておりました。

フランスの女性はこのように小粋な感じで話し、そしてバービー人形のCGのような素敵な動き方をしているのかなぁ・・・などと想像しつつ。

まるで自分がフランス人の女の子の友達と話しているようなイメージで、セリフを繰り返したりすると、フランス人っぽく話す練習にもなるかもしれません。

「Paw Patrol」
日本でも大人気!パウパトロール

Paw Patrol(パウパトロール)

勇敢なワンちゃんたちが、事件を解決する日本でも大人気のアニメ。

「一緒に行こう!」

など、聞き取りやすい短いフレーズから、

「道を渡るときは両側を確認してね」

など、町歩きで役立ちそうなフレーズまで。

こちら、子ども向けアニメですが、フランス語学習初心者の日本人からすると、意外に聞き取りが難しい会話も出てきます。

犬好きの方には、かわいいワンちゃんたちが活躍する姿を見てワクワクしながら学べるフランス語アニメなので、おすすめです。


子どもと一緒に見たい!おすすめフランス映画

フランス人の子どもでも理解できるような、日常生活に関わる優しいフレーズが比較的多く出てくる、それでいて大人が見ても楽しめる、おすすめフランス映画を紹介します。

セリフを聞き取ろうと頑張らず、ストーリーを楽しむついでにフランス語のシャワーを浴びるイメージで、楽しんで鑑賞してくださいね。

プチ・ニコラ

Le Petit Nicolas

引用:Amazon,リンク先

フランスで50年以上愛され続けている国民的絵本「プチ・ニコラ」をご存知でしょうか?

フランス人なら誰もが知っていると言っても過言ではない「プチニコラ」

日本でいう、”サザエさん” や “ドラえもん” のように、国民に昔から愛されているキャラクターです。

こちらはその「プチ・ニコラ」を、実写映画化したハートフル・コメディー。古き良き60年代のフランスが舞台。

優しい両親に大切に育てられ、仲の良い友だちたちと楽しい毎日を送るニコラ。

ところがある日、自分に弟ができると察してしまう。

そうなれば大好きな両親の愛情は弟が独り占めし、自分は森に捨てられてしまうかもしれない。この緊急事態に、ニコラはあわてて仲間たちに相談する。

そして、なんとか両親の機嫌を取ろうと悪戦苦闘するニコラだったが…。

ニコラ少年と個性豊かな仲間たちが、大人たちを相手に繰り広げる愉快な大騒動の数々。

弟ができたら、自分が捨てられてしまうという発想がなんとも可愛らしいですが、子どもにとっては大事件です。

子ども同士の会話は、「朝ごはん食べなさい」「お腹すいたよ」などのように、日常生活に密接したフレーズが聞けるのが、良いところ。

基礎学習を終えて、ナチュラルスピードのフランス語の耳鳴らしをされたい方にもぴったりです。

プチ・ニコラ詳細ページへ

ディリリとパリの時間旅行

引用:https://child-film.com/dilili/ オフィシャルサイトより

ベル・エポックの時代のパリ。大人向け、社会派のCGアニメ。

主人公の少女ディリリはフランス人とニューカレドニアの混血で、たった一人でパリにやってきた。そんなディリリが、青年オレルと出会い、大人の助けを得ながら、悪と立ち向かう。

ストーリーは子どもにもわかりやすいと思うが、社会問題に切り込む視点は大人向けである。まさに、子どもも大人も楽しめる、そして教訓が所々に散りばめられている映画です。

まず冒頭の、パリ万博で見せ物にされているニューカレドニア原住民、それを面白がって見つめるパリの金持ちたち、の順に引きで見せてゆく構図に、大人の私たちは心をグッとやられます。

華やかなパリでも物乞いがいたり、女性をモノのように扱う男性、など、子ども一人では消化しきれない、少し怖いシーンもあるので、子どもの横で大人が一緒に見て、説明してあげる必要があるかもしれません。

オスロ監督は一貫して性別や肌の色、年齢、宗教などで人を区別せず、様々な人種が登場する映画を作り続けてきた。この作品では女性の台頭が目覚しかった時代にあって、それを快く思わない悪者に虐げられる女性たちを描いている。

引用 公式HP:https://child-film.com/dilili/

おすすめポイント

アニメと思って侮るなかれ、大人でも充分に楽しめます。

パリの景色のCGも美しい。

フランスの有名人、ベルエポック時代の芸術家たちが登場し、少女ディリリと関わりを持ちながらストーリーが展開するので、アートや歴史好きの方は玉手箱を順番に開けてゆくような楽しみ方ができます。

ベルエポックの時代とは、つまり19世紀末から20世紀初頭です。

世界から学者や芸術家がパリに集まり、自由で華やかなパリ。街の至るところにミュシャのポスターが貼られています。

科学者のマリ・キュリー、細菌学者のパスツール。

画家のピカソや、マティス。ロートレック。

作家のプルーストやアンドレ・ジッド。

音楽家のサティ。

オペラ歌手 エマ・カルヴェ。そしての彼女の衣装を作るのはファッション・デザイナーのポール・ポワレ。

登場する著名人は100名以上(公式hpより)そして、その個性的な人物たちはアニメーションで描かれているので、より”特徴”がわかりやすい。歴史上の人物を描いたマンガを読んでいた小学生時代に戻ったような、ワクワクした気分で楽しめます。

「ディリリとパリの時間旅行」詳細ページへ

アズールとアスマール

引用:公式HP,https://www.ghibli-museum.jp/azur/introduction/

まるで兄弟のように育てられた、青い瞳のアズールと黒い瞳のアスマール。

2人には身分の差があったが、同じ乳母に兄弟のように育てられた。しかしある日、領主であるアズールの父により、離れ離れに。

領主の子アズールは青年となり、一方アスマールは、アズールのかつての乳母で、アスマールにとっては母であるジェナヌと共に、海を渡りイスラムの国で富豪になっていた。

2人は、幼い頃聴いた乳母の子守歌を頼りに”ジンの妖精“を求めて海を渡る。

かつて栄華を極めた中世イスラムを舞台にした、2人の青年の成長と冒険のファンタジー。

おすすめポイント

この映画を見たとき、将来自分の子どもに絶対に見せたいと強く思いました。

青い目のアズール、白人。

黒い目のアスマール、イスラム系人種。

2人には身分の差があったが、同じ乳母に兄弟のように育てられた。領主であるアズールの父により、離れ離れになってしまった二人が、今度はイスラムの国で再会する。

異なった人種や民族に対する偏見を、子どもにもわかりやすくしっかりと描き、そしてさらに、個人と個人との繋がりがその偏見を超えた友情になるのだということが、メッセージとして伝わってきます。

おとぎ話、ジブリのようなファンタジー映画。

アニメーションの美しさもまた、1シーン1シーンが子どもにぜひ見せたい芸術的な作品のよう。

絵画の上に、3Dの人物がCGによって動くという監督独自のスタイルです。

フランス語を子どもに覚えさせるポイントとして印象に残ったのは、乳母が、同じ言葉を、フランス語→乳母の母国語、と、同じ意味の言葉をそれぞれの二人の子どもに別々に言い聞かせていたシーン。

これを、実際にはひとりの子どもに言語を覚えさせる過程で、

フランス語、日本語、という風に、何でも2つの言語で言い聞かせると、言葉の音は自然に子どもの中に入っていくようです。

マルセルの夏

La gloire de mon père

引用:yahoo映画,https://movies.yahoo.co.jp/movie/20750/

フランスの国民的作家、マルセル・パニョルの少年時代。

こちらは、大人になったマルセル・パニョルが少年時代を語るスタイルの映画。

子ども時代にしかなかったもの、大人になったら失われてしまう、2度と戻ってこない家族との時間や、思い出、両親への感情が丁寧に描かれています。

子どもが主人公であるので、子どもの目線でふんだんに描かれており、そういった意味ではもちろん子どもが見ても楽しめる映画だと思いますが、実は大人になってしまった今だからこそ、心に響きます。

マルセルのお城

Le chateau de ma mère

引用:Filmarks, https://filmarks.com/movies/36963

『プロヴァンス物語 マルセルの夏』の続編。

美しいプロヴァンスの景色を背景に、マルセルの初恋、友人との別れ、そして優しい母への想いを綴った感動作。

マルセルパニョルはフランスの著名な作家。

この「マルセル」シリーズには、マルセルの父親が教師だったから、ということもあり、少年時代の学校の授業の風景が度々出てきます。

そういった学校のシーンを見ていると、フランスの子どもの勉強方法についての気づきがたくさんあります。

マルセルのお城の詳細ページへ

フランスの思い出

LE GRAND CHEMIN

引用:Amazon、リンク

主人公のルイが、母のお産のために田舎に預けられ、そこで出会う少女やその家族との交流が描かれています。

ちょっとヤンチャな子ども同士の会話も。

「名前は?」「あんた何歳?」

など、誰でも初めて会ったら基本的な情報を聞くと思いますが、子ども同士の会話は単純な単語で構成されているところが参考になります。


フランスの思い出詳細ページへ


まとめ

フランス語を楽しみながら勉強する一つのツールとして、子ども向けのフランス語の映画やアニメを紹介してきました。

映画、youtubeアニメ、の両方を紹介をしましたが、実際には、

youtubeアニメ→映画

の順で進めて行った方が良いかもしれません。youtubeはたいてい、10分程度で短めだからです。

  1. 毎晩10分間〜30分間、寝転びながらフランス語のyoutubeアニメを見る。
  2. 休みの日に時々、フランス映画を見てみる

という具合がおすすめです。

聞き取りの練習とはいえども、いきなり全てを聞き取ろうと頑張りすぎないようにしましょう。

フランス語の学習を進めているうちに、理解できるフレーズが、自然と増えてくるはずです。

また、アニメは一つのツールとして役立ちますが、大人が、アニメ映像だけをずーっと見続けているからと言って、フランス語が完璧に身につくというわけではなく、やはり基礎の学習も必要だと思います。

うまく学習に役立てて、モチベーションを保ちながら学習を続けてゆきたいですね!