フランス語の会話の中で、いつもの言い方じゃなく、何かおもしろい表現を使って、あっと言わせたい方へ!
日本語と同じく、フランス語にも、慣用句のような楽しい表現がたくさんあります。今回は、食べ物に関する会話表現を集めてみました。
もくじ
とても元気がある
Avoir la frite
アヴォア ラ フりット
意味:気分が良い、元気がある
la frite (ラ フりット)
フライドポテトのことです。
直訳すると「フライドポテトを持っている」
英語では、to have the French fry です。
会話で使える例文
J’ai la frite aujourd’hui.
Car j’ai bien dormi hier soir.
ジェ ラ フりット オウジョードゥイ
カー ジェ ビアンドるミ イエーる ソワーる
今日は気分が良い。昨日よく寝たからだ。
Pourquoi il a la frite comme ça?
ポウクア イル ア ラ フりット コム サ
なぜ彼はあんなに元気なの?
Je n’ai pas beaucoup dormi cette nuit, mais pourtant ce matin j’ai la frite.
ジュ ネ パ ボクー ドるミ セット ニュイ メ エ プるタン ス マタン ジェ ラ フりット
昨夜はたくさん寝ていないのに、それでも今日は元気だ。
同じような「元気がある」という意味でよく使われる表現は、
Avoir la pêche
pêche(桃)
ペッシュ
直訳すると「桃を持っている」となります。
英語では “to have the peach” ということになります。
桃はルイ14世の大好物でした。古代中国からインドへと渡り、フランスへも伝わったとか。
桃が大好きな王様にとっては、桃さえあれば、上機嫌ですよね!
会話に役立つ例文
Tu étais absent hier. ça va mieux?
トゥ エテ アブソン ティエーる サ ヴァ ミュー
昨日休んでたね。良くなった?
Oui ça va. J’ai la pêche aujourd’hui.
ウィ サ ヴァ ジェ ラ ペッシュ オウジョウドゥィ
うん、大丈夫。今日は元気だよ。
同じような表現で、ポテトフライ、バナナ、ポテトなどバリエーションがあります。
J’ai la banane
ジェ ラ バナヌ
バナナを持っている
J’ai la patate
ジェ ラ パタトゥ
じゃがいもを持っている
も「元気がある」être en forme の意味です。
ここまでの例文を、動画で復習!
「クマ先生のフランス語レッスン」
自惚れている
Avoir le melon
アヴォア ル ムロン
意味:傲慢である、自惚れている
直訳は、「メロンを持っている」意味合いとしては、
avoir la grosse tête
アヴォア ラ ゴろス テット
大きな顔をしている、自惚れている、ということです。メロンのように大きな顔で歩いている人を想像すると、覚えやすいですね。
会話例文
Je n’aime pas cette actrice. Elle a le melon.
ジュ ネム パ セット アクトゥりース エル ア ル ムロン
私はこの女優が嫌いだ、傲慢だから。
Je ne veux pas qu’ils pensent que j’ai le melon.
私は彼らに自惚れていると思われたくない。
Depuis qu’elle a eu sa promotion, son attitude a beaucoup changé.
Elle a le melon.
昇進してからというもの、彼女の態度はすごく変わった。彼女は自惚れている。
会話に割り込む
Ramener sa fraise
らムネ サ フれイズ
意味:話の腰を折る。会話に割り込む。
直訳すると「イチゴを持ち帰る」
2人が会話をしているのに、全く関係のない誰かが会話に割って入ってくる、などのシチュエーションです。
会話例文
Elle ramène sa fraise à chaque fois.
エル らムヌ サ フれイズ ア シャク フォア
彼女はいつも話の腰を折る
Je n’aime pas les gens qui ramènent leur fraise.
ジュ ネム パ レ ジョン キ らムヌ レーる フれイズ
でしゃばりな人は嫌いだ。
すごくおしゃべりな人、プライベートな会話に無理やり空気を読まずに入ってくる人がいたら、「邪魔しないで」
Ne ramène pas ta fraise!
ヌ らムネ パ タ フれーズ
と言うことができますね。
ここまでの例文を、動画で復習!
フランス語の音声を実際に聞いて練習してみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
大袈裟にする
En faire un fromage
オン フェーる アン フろマージュ
意味:話を大きくする、小さなことを大袈裟に考えること。
faire un fromage
フェーる アン フろマージュ
はチーズを作ること。牛乳のような些細なものからチーズが作られるので、「なんでもチーズにしてしまう」「小さなものを大きくしてしまう」イメージです。
会話に役立つ例文
Pourquoi en faire un fromage?
ポウクア オン フェーる アン フろマージュ
なぜ小さなことで大騒ぎするんだ?
Il ne faut pas en faire un fromage
イル ヌ フォ パ オン フェーる アン フろマージュ
大げさにしてはいけない。
会話例
Avez-vous vu mon stylo ?
僕のボールペン見た?
ça fait une semaine que vous demandez à tout le monde où est passé votre stylo!
Vous n’allez pas en faire un fromage!
1週間もの間、君はみんなに誰かがボールペンを見なかったか聞いているじゃないか。大袈裟だよ!
– Si. Ce stylo était celui de mon grand-père, j’y tenais beaucoup.
当たり前じゃないか。そのボールペンは僕の祖父のものだ。私にとってとても貴重なものなんだから。
この例文を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
チーズに関するフレーズで、こんな表現もあります。
Un dessert sans fromage est une belle à qui il manque un œil.
アン デセーる ソン フろマージュ エ ウヌ ベル ア キ イル マンク アン ヌイユ
(チーズを欠いたデザートは、片目のない美女のようなもの)
フランスに行くと、メインディッシュとデザートの間に必ずチーズを食べます。
日本人としては、もうお腹いっぱいのところにお腹の膨れるチーズなんて食べたら、デザートが食べられなくなってしまう!と思うのですが、フランス人にとって食後のチーズは欠かせないものなのでしょうね。
気絶する
Tomber dans les pommes
トンベ ダン レ ポム
意味:気絶する、失神する。
直訳は、「りんごの中に落ちる」
会話に役立つ例文
Elle a failli tomber dans les pommes à cause de la chaleur dans le train.
エル ア ファイ トンベ ダン レ ポム ア コウズ ド ラ シャレーる ダン ル トらン
彼女は電車の中の暑さで気絶しそうになった。
Elle est tombée dans les pommes car elle n’avait rien mangé depuis deux jours.
エ レ トンベ ダン レ ポム カー エル ナヴェ りアン モンジェ ドゥプイ ドゥー ジョーる
彼女は気を失った。2日間何も食べていなかったのだ。
「りんごの中に落ちる」と聞いた時、たくさん積まれたりんごの中に、どーんと体を埋めて倒れる様子を想像しましたが、
作家のジョルジュ・サンドが書いた手紙の
être dans les pommes cuites(焼きりんごのなかにいる)
が語源だと言われています。とても疲れていると言う意味だそうです。
この章の例文を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
金持ちだ
Avoir du blé
アヴォア ドゥ ブレ
意味:金を持っている。
直訳:小麦を持っている。
会話に役立つ例文
Il peut acheter ce qu’il veut. Parce que son père a du blé.
イル プ アシェテ ス キル ヴ パるス ク ソン ペーる ア ドゥ ブレ
彼は自分の好きなものを買える。なぜなら彼の父は金持ちだからだ。
恋多き心
cœur d’artichaut
キューる ダるティチョー
意味:移り気
直訳は「アーティチョークの心」
移り気な人、すぐに恋に落ちてしまうタイプの人のことを表現するときに使います。
アーティチョークの形は、中心から葉っぱが方々にいくつもに分かれています。食べるときにはこの葉っぱをたくさんの人と分け合えるように、恋愛において自分の愛をたくさんの人に送ることができる人のことを表現します。
いわゆる恋多き女&男、です。
会話に役立つ例文
à peine a-t-elle quitté son ex copain, qu’elle en a trouvé un nouveau.
ア ペン ア テル エ キテ ソン ネクス コパン ケル オン ナ トろウヴェ アン ヌーヴォウ
Elle a vraiment un cœur d’artichaut.
エル ア ヴレモン アン キューる ダるティチョー
前の恋人と別れた途端に、彼女は新しい恋人を見つけた。
彼女は本当に恋多き女だ。
この章の例文を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
万事休す
Les carottes sont cuites
レ キャろット ソン キュイットゥ
意味:万事休す
直訳:にんじんは煮えた。
15世紀ごろ、貧しい家庭では、お腹を満たすためお肉をにんじんと一緒に煮て食していたそうです。お肉=死んだ動物、というところから、終わり、死、と関連付けられ、それが後に「もう終わりだ」という意味になっていったとか。
第二次世界大戦で、フランスが占領された時、ロンドンからのラジオで
« Les carottes sont cuites, je répète, les carottes sont cuites »
がシグナルとして使われた、という話もあります。
会話に役立つ例文
Notre équipe perd 3-0 à 15 minutes de la fin.
残り15分だというのに、私たちのチームは3対0で負けている。
– Je crois que ce soir, les carottes sont cuites.
万事休すだ。
この章の例文を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
大きなお世話だ
Ce ne sont pas tes oignons
ス ヌ ソンパ テ ゾニオン
意味:大きなお世話だ。
直訳は、「あなたの玉ネギじゃないよ」
関係ない他人のことをあれこれ言って、余計なお世話だよ、という意味です。
似ていますが、
Occupe-toi de tes oignons
とも言います。
会話に役立つ例文
Le soir, alors que tout le monde est déjà rentré à la maison, elle fait jouer ses enfants au parc jusqu’à tard.
夜、みんな家に帰ったのに、彼女は子どもたちを公園で夜遅くまで遊ばせているんだよ。
– Et alors? Ce ne sont pas tes oignons. Les gens font ce qu’ils veulent.
だから何だ?君が口出しすることじゃないよ。人は人の好きなようにすればいいんだから。
この章の会話を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
喧嘩両成敗
Couper la poire en deux
クペ ラ ポアーる オン ドゥー
意味:喧嘩両成敗。
両者とも譲り合って妥協点を見つけること、などを指します。
1880年ごろに、文学の分野で生まれた表現だそうです。
なぜ、別のフルーツでなく梨であるかは、不明とのこと。
会話に役立つ例文
Mes enfants se bagarrent souvent.
私の子どもたちはすぐケンカをする。
Au final, c’est toujours le petit qui pleure et je me fâche contre le grand à chaque fois.
結局、いつも下の子が泣いて、上の子を怒っちゃうの。
Je devrais couper la poire en deux.
2人に均等に怒るべきよね。
この章の会話を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
ごたまぜにして話す
Raconter des salades
らコンテ デ サラド
意味:ごたまぜにして話す
直訳は、サラダで語る、サラダで話す。
サラダは、美味しくするために色々な材料を使いますね。多様な食材の盛り合わせです。
作り話や、矛盾、うわさ話、嘘など、話を盛りだくさんにして、話すことを表現するのに、「サラダで話す」を使います。
会話に役立つ例文
Ne fais pas attention à ce qu’elle dit.
ヌ フェ パ アトンシオン ア ス ケルディ
彼女の言うことを気にしないで。
Elle raconte beaucoup de salades.
エル らコント ボクー ド サラド
彼女の言うことはめちゃくちゃだから。
この章の会話を、動画で復習!
フランス語の音声を聞いてみましょう。
「クマ先生のフランス語レッスン」
食べ物に関する、ユニークなフレーズは楽しんでいただけましたか?
玉ねぎやメロン、桃など、日本でも馴染みのある果物や野菜以外に、アーティチョークなど、普段はあまり見かけない野菜に関するものなどもあり、国によっての違いの発見がありますね。