もくじ
あらすじ・ストーリー
1999年に『タイタニック』にトップの座を奪われるまでは、30年以上に渡ってフランス人が一番好きな映画作品(観客動員者数トップ)でした。
第二次大戦下のパリ、ドイツ軍に追われるイギリス兵を嫌々ながらもかくまい、イギリス脱出を手助けするフランス人コンビが活躍するコメディ。
フランスでは知らない人はいない、コメディ俳優のルイ・ド・フュネス。日本の若い方はあまり知らないかもしれませんが、フランス映画の歴史には欠かせない存在で、多くのフランスの映画俳優たちからリスペクトされています。
ルイ・ド・フュネスのコテコテのドタバタコメディを1本でも見ていると、映画好きのフランス人との会話が弾むこと間違いなしです。
フランス語タイトルのの「vadrouille」は「ぶらぶら歩き」「散歩」あるいは「放浪」という意味。
作品情報
製作年: | 1966年 |
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製作国: | フランス |
原題: | La Grande Vadrouille |
キャスト・監督
監督:ジェラール・ウーリー
出演:ルイ・ド・フュネス、ブールヴィル、マリー・デュポワ
感想
フランスの映画の、歴代観客動員者数を見ると、圧倒的にコメディ映画が多くランキングされています。こちらの「大進撃」も、いわば「志村けん」さんのようなドタバタコメディ。フランス人は、コメディが大好きなのです。
第二次世界大戦下のフランスが舞台になっているこの映画は、当時のフランスの様子も伺えますので、大変興味深いです。しかし、決して深刻に描かれている訳ではありません。
ハラハラ、ドキドキする場面もありますが、基本的にはガハハと笑える映画です。
名俳優ルイ・ド・フュネス
ルイ・ド・フュネス
Louis de Funès
1914年7月31日生まれ
20世紀後半のフランス映画界、フランスのコメディ映画に欠かせない存在です。約140本もの映画に出演しました。
リアルタイムにルイ・ド・フュネスの映画を観てきた方はもちろんですが、今の若いフランス人たちの中にも、TVで繰り返し放送されるルイ・ド・フュネスの映画を親と一緒に観て育ったという方が多くいます。
フェルナンデル、ジャン・ギャバン、イヴ・モンタン、ブールヴィルなどフランスを代表する俳優とも多く共演しています。
役者として成功するまで
役者になる前は、彼は小さな仕事(ショーウィンドーのデザイナー、靴磨き、郵便の糊付け人など)を転々とする。
28歳の時、役者になる決意をする。モリエールの喜劇を演じ、演劇教室の入学試験に合格。ここで、映画出演のきっかけとなる役者ダニエル・ジュランなどの友人と出会う。
その後、劇場での端役をこなす間、ド・フュネスはピアニストとしてレッスンや夜のパリのバーで演奏していた。
1953年に『Ah ! les belles bacchantes(ああ!美しい口ひげ)』で主役を演じ、この公演が大成功し、2年のロングヒットとなる。
その後、最初期のカラー映画の時代に、1954年から数えて18本以上の映画で、準主役だけを与えられ続けた。
1957年 喜劇俳優大賞を獲得。
1965年に公開された『大追跡 Le Corniaud』でブールヴィルと共演
1966年『大進撃 La Grande Vadrouille』では再びウーリー監督によるブールヴィルとの共演。この映画は観客動員1700万人の巨大な成功を収める。
『大乱戦 La Folie des grandeurs 』はブールヴィルとのコンビ復活の映画として注目されるが、ブールヴィルの死により中止となった。
ルイ・ド・フュネスは舞台出身の俳優であり、映画界で有名になってからも舞台に回帰した。
1971年の終わりからパレ・ロワイヤル劇場で『Oscar(オスカー)』を息子オリヴィエと一緒に演じ、1972年9月まで続く。
1973年『ニューヨーク←→パリ大冒険Les Aventures de Rabbi Jacob 』
この映画以前はアメリカではあまり知られていなかったが、1975年にゴールデングローブ賞の最優秀外国映画賞にノミネート。
1975年3月21日、ド・フュネスは「闘牛者たちのワルツ」を舞台で演じていた時、腕に痛みを感じ、入院。
その後は仕事量を減らしてゆく。映画撮影にも復帰したが、ゆっくりしたペースに。撮影現場には常に医者と救急隊員が待機していた。
1983年 心筋梗塞で死去。
フランス映画界での功績と高い評価
ルイ・ド・フュネスはフランスの俳優の中でもっとも多い興行収入を獲得しました。1964年から1979年の間、8本の映画がフランスの興行収入で1位になっています。
コンビが織りなすドタバタ喜劇に定評のあるルイ・ド・フュネス。彼の164センチという低い身長も、パートナーたちと好対照をなし、凹凸コンビを完成させる一つの特徴です。
多くの人は彼を役者泥棒と呼んだ。彼がスクリーンに出てきたらもうおしまいだ。人々は彼しか見なくなるから。
byドミニク・ザルディ(俳優)
死去の翌年の1984年、彼の名を賛してルイ・ド・フュネスと名付けられたオレンジ色のバラが開発されました。日本での流通名はルイドゥフューネまたはルイ・ド・フューネと表記されているそうです。
没後、2005年3月に行われたテレビ局フランス2の番組によって、ルイ・ド・フュネスは「すべての歴史上の偉大なフランス人100人」の第17位に選ばれました。
2014年、ルイ・ド・フュネスの生誕百周年を記念して、パリ8区の通りの一つが「ルイ・ド・フュネス小通り Allée Louis-de-Funès」と命名されました。
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