フランス映画「母の身終い」

あらすじ

尊厳死を望む母親とその息子の絆を描いた人間ドラマ。

麻薬密輸の片棒をかついで逮捕され、服役していた48歳の男性アランは、出所して母親のイベットが暮らす実家で再出発を図るが、希望の仕事が見つからず、几帳面な母と衝突してばかりいた。

そんなある日、アランは母が脳腫瘍に冒されており、スイスの会社と契約して尊厳死を実行しようとしていることを知る。

作品情報

製作年:2012年
製作国:フランス
原題:Quelques heures de printemps

キャスト・監督

監督:ステファヌ・ブリゼ

脚本:クロード・クロッツ

出演:ヴァンサン・ランドン、エレーヌ・ヴァンサン、エマニュエル・セニエ


評価 :2/5。

感想

息子はもういい年なのに、母親に怒ったり、死ねと言ったり・・・

自分の人生の不甲斐なさを母親に八つ当たりしているようで、なんだか主人公を好きになれす、1回目に1回目に鑑賞したときには途中で見るのを辞めてしまった。

さて、2回目の鑑賞。

母親と息子の絆を描く感動作と期待して見始めたが、物語の半分過ぎてもまだ淡々としていて、薄暗い画面、冴えない日常のシーンが続く。

「自分に死期が来たことを受け入れなくては」

息子を交えて、尊厳死を希望する母親本人と、協会との話し合いのシーンあたりからは段々と、本来の映画の本筋である「尊厳死」について、見ている側が心を揺らしてゆくことになる。つまり、

自分が不治の病でこれから悪くなるばかりだったらどうするのか?

家族が尊厳死を希望したら、どうするのか?

ということに思いを巡らしてゆく。

物語は淡々と進む。息子が母親の尊厳死を止めるわけでもなく、母親側も迷うことはないようだ。

「お涙頂戴」的に大袈裟なシーンがたくさんあるわけでもない。死ぬ瞬間を自分で決める、というのをサラッと描いているところが、この映画の良さなのだろう。ただ、やはり死というテーマである以上、爽やかな映画ではない。

2013年セザール賞ノミネート、など結構評価はされている映画らしい。

本編と関係ない点なのだが、フランス映画でイマイチ好きになれないのは、出会った男女が、わりとすぐに一夜を共にしてしまうところ。目があって微笑んだだけなのに、次のシーンでは夜のベッドシーンになっている場合など、現実感がなさすぎると思ってしまう。


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