もくじ
あらすじ・ストーリー
マドレーヌは92歳の誕生日に
「2カ月後の10月17日に私は逝きます」と宣言し、祝いに集まった家族たちを驚かせる。
数年前から書き記している「一人でできなくなったことリスト」
最近、自分一人できない項目が増えていることが気がかりだった。
周囲に迷惑をかける前に人生に幕を下ろしたいという、マドレーヌの揺らぐことのない意思、それを認めるか認めないか・・家族の葛藤を描く。
フランスに波紋を巻き起こした実話。
作品情報
製作年: | 2015年 |
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製作国: | フランス |
原題: | La dernière leçon |
公式ホームページへのリンク
キャスト・監督
監督:パスカル・プサドゥー
出演:マルト・ヴィラロンガ、サンドリーヌ・ボネール、アントワーヌ・デュレリ、グレゴアール・モンタナ
感想
欧米の一部の国は、安楽死先進国と言われる。医師から処方された薬を飲んで死に至る、「自死介助」を選んだのが、この映画の主人公。
自分から死ぬことを選ぶと母に宣言された家族は、どのような気持ちだろうか。
しかし、自分が老いてみないと、その苦しみはわからないのが多くの人のケースなので、家族としても、その本人の意思を尊重して残りの時間を過ごすのか、何がなんでも食い止めるか、というところで、より判断が難しい。
2018年のオランダでは、6126人が安楽死で亡くなった
医療が発達して、寿命がどんどん延びている今、自分らしくいられなくなっても、それでも生き続けることが幸せなのか?
実話を基にしているので、静かなストーリー展開にもふつふつとした人間の感情・パワーが感じられる。そして誰もに必ず訪れる「老い」を描いた映画、大変リアルである。
ヨーロッパの安楽死や自死介助の事情
この映画では老いにより不自由になってゆく生活に不安を感じ、自分の最後の日を自分で決めたいと、自殺を決めた女性が主人公になっています。
フランスでは、積極的な安楽死は認められていません。
安楽死はオランダやベルギーなどで認められています。スイスでは1940年代から、利己的な理由を除く自殺ほう助が合法化されています。
オランダは自国民のみに安楽死できる権利を与えているため、安楽死を希望する外国人は、ベルギーにやってくるそうです。そんな人々の中で、特にフランスからの希望者は年々増えているとのこと。
そして最近、ある男性の行動により、自死の権利に関する議論がフランスで再発しています。
老い以外でも、生活の質が著しく悪い患者さんの中には、自死を考える方もいます。
『尊厳死』は、他の誰かではなく、自分自身の意思と判断で死を選ぶ、という点が、『安楽死』とは異なると言われています。ただし、現在、日本では、『尊厳死』も『リビング・ウィル』(患者さんが自分自身の終末期の処遇を文書で意思表示しておくこと)も法的な基盤はなく、公的な制度として確立されていません。
引用:静岡がんセンターHP
日本でも、安楽死は合法化されていませんが「死ぬ権利」を認めてほしいと訴える活動もあります。
一番難しい点は、それが本当に本人の意思であるのか?というところです。
人様に迷惑をかけたくない、「人様」という概念の強い日本では、例え本人の署名などがあったとしても、周りの影響や圧力を受けて本人が決断せざるをえなかったのでは、などから判断が難しい、という意見もあるようです。
当人と周りの心情の相違や、また法で将来安楽死が認められたとしても、それが悪用されるかもしれないという懸念など、考えても考えても結論が出ない問題です。
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