もくじ
あらすじ
19世紀を代表するフランス文学のひとつであるグスターヴ・フローベル原作の『ボヴァリー夫人』の映画化。
田舎娘エマ(イザベル・ユペール)は厳格な修道院で育ち、土地の大地主である父と2人で暮らしていた。ある日町医者のシャルル(ジャン・フランソワ・バルメール)と出会ったエマは、ロマンスへの熱望と贅沢への憧れから、年の離れた彼と結婚する。しかし、仕事一筋の夫との生活はしだいに退屈なものになっていった。毎日ふさいでいる妻を心配した夫は、大きな町での開業を決意する。医者を待ち望んでいた町の人々に歓迎される2人。しばらく平穏な日々が続いたある日、エマは若く裕福なドンファン、ロドルフ(クリストフ・マラヴォワ)に出会い、密会を続けるようになる。夫のシャルルが何も気づかないまま、思いつめたエマはロドルフに2人で逃げようと誘うが、もともと遊びと割り切っていた彼はその申し出を拒絶し、エマは寝込んでしまう。シャルルが気晴らしにと連れていってくれたオペラの劇場で、エマは以前彼女を慕っていた弁護士見習い生のレオン(ルーカス・ベルヴォー)と再会、新しい恋がはじまった。幸せもつかの間、高額のドレスの支払いを迫られ困ったエマは、レオンに金を貸してくれるよう懇願するが、彼には、彼女の負債を払えるほどの力はなかった。しかたなくロドルフのもとへ行くが、そこでも拒絶されるエマ。彼女のことは町の人たちにも知られるようになり、追いつめられた彼女は、毒をあおって自ら命を絶つのだった。
あらすじ引用元:映画ドットコム
作品情報
制作年: | 1991年 |
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製作国: | フランス |
原題: | Madame Bovary |
キャスト・監督
監督:クロード・シャブロル
出演:イザベル・ユペール、ジャン・フランソワ・バルメール、クリストフ・マラヴォワ、ジャン・ヤンヌ
感想
「ボヴァリー夫人とパン屋」を観て、元になった文学作品はどんなものか、観てみたくなり、鑑賞。
「ボヴァリー夫人とパン屋」は、「ボヴァリー夫人」が大好きな文学好きのパン屋が、まるでボヴァリー夫人のような婦人が引っ越してきたのをきっかけに始まるストーリーだった。
個人的には、「ボヴァリー夫人」よりも、「ボヴァリー夫人とパン屋」の方が “楽しめた” のだが、「ボヴァリー夫人」を見た後は、夜中まで何か胸に残るものがあって、眠れなかった。
有名な文学作品だから、有名だから必ず面白いというわけではないとは思う。
基本的には、文学作品は、発行されたその時代にはセンセーショナルだったであろうが、今はそういった物語は溢れているので、現代人にとっては物珍しくもないものだ。
「ボヴァリー夫人」は、不倫、夫がいるのに他の相手と云々、という昼ドラのような展開が、きっとセンセーショナルだったのだろうが、昼ドラでそんなドラマが気軽に観られる今、ワイドショーでゴシップネタが溢れる今は、不倫やらはそんなに物珍しくない。
それでも、何かこの映画には、黒いもやもやとしたものがあって、それをフランス映画としては少し長めの2時間たっぷり見ることで、人間の欲だとか、見栄だとか、失敗だとか、そういうものを観させられ、なんかズーンと暗い気分になってしまった。
主人公のボヴァリー夫人は、恵まれた環境にあるにも関わらず、日常に退屈を感じ、冒険し、浪費する。
当時の人々は、特にその時代の女性は、なかなか自分は体験できないこのボヴァリー夫人の冒険を、ワクワクドキドキして読んだに違いない。
ボヴァリー夫人は、フットワークの軽い、冒険心のある魅力的な女性として書かれているのだろうか。それとも、こんなふうに欲張ると、破滅するよ、という教訓として描かれているのだろうか。
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